鯉幟

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それでは、いつか巡り会える事を願って。

前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2017年1月18日 22時] 1番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

この患者を端的に言うならば、煩くて余計な事ばかり言う患者。青年に対しての関心は然程無く、もっと言うならどうでもいい。煩いのはAdult Children'sの中に見られる通称ピエロ、道化師の特徴なのだが、彼としてはそんな事は関係無い。取り敢えずその煩い口を塞ぐ為に舌を切って、唇を金具で縫い付けたい程度には苛ついている。相手の都合なんてものは知らん。自分の利益こそが一番だ。まぁそれに関しては後々考えるとして、今はこの患者だ。
氷のような視線とは、こういう目付きを言うのであろう。借金を踏み倒した人間を見るような嫌悪の篭った瞳で、彼は口を噤んだ青年を見つめる。
「…余計な心配どーも、君みたいな人に心配される程僕は落魄れてる様に見えるのかなぁ?そもそも女の着替えなんて想像しても何にも興奮しないしビンタされたら同じ痛みを噛み締めて貰うから良い。あとね、君煩いから喉に指突っ込んで黙らせてあげようか?」
ふぅと一つ息を吐き、青年から目を逸らす。手を組んでぐっと伸びをすると、少しばかり落ち着いた気が、した。


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前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2017年1月2日 11時] 3番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

扉の向こうから、微かに浴槽から出てきたばかりの様な湿った足音が耳に入る。嗚呼、彼に違いない。理由は僕が此処に居るから、それだけだ。
暖かみの無い箱の中には、冷え切った熱が手から入り脊髄を通って脳に達する。其処で僕は理解した。此処は余りに寒過ぎるな、と。眼球が乾いたのを感じ、瞳を閉じて嘆息した。恐怖は無いし不安も無い、だが気分がどうにも晴れず、やり場の無い不満が体の中を彷徨っている。嗚呼、最悪な気分だ。聖夜等知った事では無い。今日も今日とて仕事が有ったのだから。果たしてこれは、僕が裏の仕事に就いているからか。故にブラックサンタでも来て仕舞ったのか?ノーセンキューだ、帰ってくれ。
こうして少し考え事をしていれば、彼が此方に来たというサインが直ぐに来るだろう。ほら、早速だ。目を開かなければと鬱陶しさを感じながらも、瞳を空気に晒す。
勝手に入って勝手に喋り出す彼。デリカシーというものは此奴には存在しないのだろうか。いや、異種族に常識を求める事自体が間違いだな。もうこの際此奴の常識とやらには口を出さないでおこう。興味は失せた筈だ。
数秒間の空白を埋める為、僕も口を開いて音を発した。
「…お帰りなさい。全くもって理解出来ない、貴方の気紛れではないのか」
僕は普通故に、彼の予想通りの返答をした。


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前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2017年1月2日 11時] 4番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

口から頬にかけて三日月を浮かべる彼は、通常通り僕を見ていなかった。相も変わらず眼球を食べたいとか、どうせその様な事を考えているのだろう。悪趣味な奴だ、嫌悪の感情を露わにしてしまいそうで、隠せ隠せと脳に命令をしてみるものの、矢張り人間と言うのは感情に正直らしく。ぐちゃぐちゃに蕩けたキャラメルを口移しされた様な不快な気持ちを瞳に表し、箪笥の角に指を打つけた様な不快感の余韻が残る。そんな状態で愛を囁かれようとも、薄っぺらい障子みたいな言葉を、真面に受け取れる心情な訳はない。然し、先程の失態も有ったのだ。これ以上感情を瞳に出してはいけない。出したいが。
「そうか。…用件がそれだけなら、帰らせて頂いても宜しいだろうか?仕事が、まだ片付いていないんだ」
ぎ、と僅かな呻きを上げるベッドは使い慣らされた様な形跡が有って、故に暖かさを感じさせる。…残念ながら、彼が座って仕舞った事で、生温くなって仕舞ったが。


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前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2017年1月2日 11時] 5番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

自らの自尊心で組織を、首領を危険には晒せない。僕らは此奴に従う立場であり、飼われる畜生なのだから。感情を殺せ、自尊心に口輪を付けろ、不愉快極まり無いが、僕は牙を抜かれた犬だ。さぁ、言葉を吐こうか。
「申し訳無い。では、座らせて頂く」
頭の中が、真空のように冷たく凍りつく。酸素が足りない、届かない。思考が停止して、微睡みながらも冴える脳髄。あれあれ、僕は言葉を間違えなかったかな。先と違う口調だったかな。嗚呼、駄目駄目。脳はサラダボウルの様になって仕舞うと治らない。だから、何も思わずに彼の元へと行こう。
彼の言う隣とは、勿論ベッドに座っているのだから、その隣だろう。僕は鏡の前で練習したような、絵に描いたみたいな薄笑いを浮かべる彼の前に立ち、本当に隣に座っていいのか、という問いを込めた疑問を、瞳で伝えてみせた。


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前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2017年1月2日 11時] 6番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

微かな痛み、クローゼットは騒がしい。憑いていた狐が落ちた様に意識が段々有るべき場所に戻り、身体の感覚が通常に復してきた。目線を下に向け、如何したのかと表情を捉える。…成る程。彼は、乱酔に似た異様な激情の恍惚感が絶えず雰囲気に出ていた。遂に自分の目を別れを告げる時が来たのか。と憂鬱で絶望的な気分が胃の底から頭まで広がって行く。
溜め息を吐こうと思ったものの、無言のまま下に引っ張られる。例えるならば、子羊の群れに飢えた狼が紛れ込む様な危険な状況。これは、一体全体どういう事だ。皆目見当も付きゃしない。だがその疑問は、彼が言ったその言葉で漸く理解出来た。お巫山戯、と言う訳では無いだろう。確実に。気紛れにも程が有る。癪ではあるし仮だけれども、僕の主は本当に子供の様な方だ。きっと此奴が王様にでもなったら、暴君になるのではないか?いやはや、先が心配である。
くぴ、と彼の喉元から音が聞こえる。彼の、鋭い牙を視認した。そうか、目を抉られるのはまだまだ先か。と、安心してはいられない。輸血やら菠薐草やらを食さなければいけないのだ。嗚呼なんて面倒な事をしなければいけないんだ!だが、彼を拒否する訳にはいかず、黙って吸血されなければならない。くそ、秘密を握られていなければ。あんな事を暴露されたら堪ったものではない。…故に、自分達は従わなければいかぬという次第だった。「仕置き」等と言う恐ろしい言葉を発さないで頂きたい。さっさと吸ってくれ。
首筋に、言い様も無い痛みが走った。


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前言撤回、きちんと戻りますよ (プロフ) [2017年1月2日 11時] 7番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]
(C) COMMU