進撃の巨人完結編
エレン・イェーガーってやつは、特に後半になるにつれどんどんぶっ飛んだ奴になっていくので共感も理解もできなくなっていったんだが、たまたま力を持ってしまったどこにでもいるバカっていうのはよい落としどころだったな。
確かに俺もあんな力を持ってしまったら地面を真っ平らにしてしみたくなるのかもしれないなと、給料日にビッグマックセットといつもなら頼まないナゲット15Pを注文しながら思った。財布に金があるという小さな全能感でさえ人を狂わせるのだ。
現実がこういう風に憎しみに満ち溢れて誰も彼もがそれに踊らされている中で、フィクションとはいえそれに立ち向かおうとする話をやってくれたのは個人的に救いに感じた。
現実にも自分達ではどうにもできない理由で壁の中に閉じ込められて、それを打ち破ろうとして殺し殺されってことをやっている所がある。それはもはやどうにもならないのかもしれないし、まして遠く海の向こうにいる俺らにできることってのはもしかしたらないのかもしれない。
だとしても、諦め悪くもがき続けることで開ける未来があるんじゃないかなって柄にもなく。
それにつけても完結編は劇判の使い方が上手かった。全編のBauklötzeはあのシーンの為に書き下ろしたのかのようにビタッと嵌ったがアレ一期の時点の曲なんだろ。すげえよな。ほかにもətˈæk 0N tάɪtnのアレンジとかも。
それはそれとして、いつもの調子の話をするなら巨人亡き後にも立体機動装置の改良を続けたエルディア軍に合理性はあるのかという話なんだが。
立体機動装置は戦術的に見ると超強い。人間をあの速度で飛ばせるし射撃の位置取りは自由。戦車を持ち出したとして雷槍相手には無力。怖い。
だけどもそれと引き換えにする戦略面の柔軟性がいかんともしがたい。まず立体機動装置を装着してしまうと背嚢を持てない。よって長期戦は困難。その辺は調査兵団は馬車や飛行船で補っていたがこれをやるとユニットコストは上がる。
あと立体機動装置は燃料ドカ食いするから補給が太くないと厳しいんだよな。あのインチキガス取れるのパラディ島だけらしいし。基本的に島の中から出なかったから成り立っていた節はある。多分新エルディアも島から出るつもりはないんだろうが。
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