来る台湾有事についての考察
先般、CSISが台湾有事についてのウォーゲーム(机上演習)を用いた検討についてのレポートが公開された。まぁ中身英語なんで概要をなぞる程度のことしかできなかったんですけど。
内容としましては、中国が台湾に対する軍事侵攻に踏み切った場合、台湾とその同盟国たる米日は損害を被るが最終的に台湾の防衛に成功するだろうというものだ。
具体的な数字として現実的な線として空母2隻、大型艦数十隻、航空機200機。悪ければ自衛隊と米第7艦隊の半分。
これは言い方を変えれば、台湾の人々の自由を侵す試み、ひいては力による現状変更が支配する未来の到来は日米の多大な犠牲によってのみ防げるであろう、ということでもある。
ただここでCSISのレポートはあくまで純軍事的な観点からの考察であって、政治的な要素や核抑止力の影響は検討していないということに注意しなくてはならない。また軍事的検討においてもかなりの曖昧さ含んでいるという点も考慮しなくてはならない。
まぁでも軍事的な部分については損害の大小はあれどやはり日米台と中の痛み分けに近い形で終わるであろうというシナリオそのものは変わらないと思われる。
このところの日本は自前の防衛力強化のみならず、英豪加と実質的な同盟を結んだり、百里基地にインド空軍を招いての共同訓練を行うなど世界を巻き込むことにも成功しつつある。軍事的なハードルは下がりつつあると思われる。
しかしながら軍事力というのは政治的判断なくしては行使できない。その政治判断の主体というのは忘れられがちだが法律や政権ではなく国民である。
台湾の国民は自分の家が攻撃されるのだ。戦う以外の選択肢はないが、彼らの力は残念ながら強大な人民解放軍の前にはわずかなものだ。
米国の国民は戦争慣れしているのでやはり中国と戦うことに対してのハードルは多少下がるのではないか。彼らにとって遠い東アジアのことは軍事介入へのハードルを下げることにも上げることにもつながるかもしれないが。
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