RRRという映画を観た。
インド史上最高製作費を費やした映画で、実際ド派手なアクションシーンがこれでもかと続く。3時間も続く。後半1時間くらいずっと爆発し続ける。
1920年の大英帝国植民地時代のインドを舞台に、攫われた少女を助けるため森からやってきた戦士と彼を追う警察官が互いの身分を知らないまま出会い、友情を育む。
劇中歌から引用するなら虎と狩人、首と絞首台、火と水の間の友情。
インド映画初体験であったが非常に楽しめた。まずカルチャーショックであったのは途中休憩をはさみ前後編3時間を通しで放映すること。なお日本公開版だと途中休憩がない。
よく70年あたりの邦画だとこういう長い奴がある。スマホはおろか、テレビだって一般家庭にあるかないかという時代だった。
コンテンツの溢れかえる我々の感覚だと3時間も一本の映画に費やすのはコスパが悪いと感じるかもしれないが、娯楽のない世界の人々にはちょうど良い長さなのかもしれない。
まぁそういう小難しい理由というよりは、やりたいことを詰め込みすぎた結果として3時間の超大作となったというのが真相だろうが。事実、全世界で興行収入No.1らしい。
あとは割と宗教色が強かったこと。作劇の世界だとデウスエクスマキナ、造られた神という用語があるが、2020年代の映画でそれを、しかも科学理論だの宇宙人だのを持ち出すでもなくヒンドゥー教の神様が出てきて話をまとめてしまうとは思わなんだ。
なにより、「革命」に対する考え方も結構違ってた。本作を通して描かれるのは暴力による革命の側面が主なんだけど、同時に非暴力による革命も大事だよねって話が頻繁に描かれる。
確かに長い間ボースらが目指したように暴力によって独立を勝ち取ろうとしたというのも近代インド史の一側面ではあるんだけど、同時にガンジーに代表されるような非暴力の運動も彼らにとっては大切なものなのだ。
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