DEAD APPLE編(自由参加、原作軸設定でお願いします)
横浜を見下ろす丘で、中島敦はキョロキョロと何かを捜すように辺りを見渡した。階段を下りる途中でふと立ち止まる。見つめるのは、緑に囲まれな墓地。「こんな場所あったんだ……」私は茫然と呟いた。が、すぐに視界の端に目当ての存在がいることに気づき、慌てて近寄る。
敦は太宰に声をかける前に一旦立ち止まり、そっと墓に向かって手を合わせる。太宰が不意に声をあげた。「……誰のお墓か判っているのかいる」静かに問われ、敦はきょとんとした顔で答える「いえ……でも、太宰さんにとって大事なひとなんですよね?」
〜略〜「もしかして、太宰さんの好きな人だった、とか?」「好きな女性だったら一緒に死んでるよ」「ま、太宰さんならそうか」「なにか云った?」「いえ、べつに……」「……友人だ」太宰はぽつりとこぼす
「私がポートマフィアを辞めて、探偵社に入るきっかけを作った男だよ。彼がいなければ私は今もマフィアで人を殺していたかもね」〜中略〜「パス」「ええ?」「ちょっと新しい自殺法を試したくてね」「またですか?もう……」
「頑張れ、敦」 診療所で紅茶を啜るまふ。
数刻後。敦は武装探偵社へ戻ってきていた。向かう先は会議室だ。会議室の入り口近く、出席者の全員を見ることができる位置に座る社長、福沢諭吉。社長の斜め後ろには事務員である春野が秘書のように控えているのが見えた。
スクリーンの前に立つのは国木田独歩。生真面目な顔で眼鏡の位置を正している。一方、すでに自分の席に座り、大量の駄菓子を机に撒き散らかしているのは江戸川乱歩だ。
乱歩の向かいに座るのは与謝野晶子。黙って座っている姿は楚々とした才色兼備の女性に違いない。……黙っていれば、の話である。凛とした姿の与謝野と比べ、彼女の隣に座る谷崎は頼りない。谷崎は現在、実妹であるナオミにしなだれかかられ困ったような顔をしていた。
〜略〜「開けていい?」鏡花の声が、襖の外から聞こえてきた。「あ、うん」頷くと、押入れの戸が開けられ、淡い光が差し込んでくる
まだ夜は明けていない。鏡花か、若しくは彼女の姉である華奈が電灯を点けたのであろう。「大丈夫?」鏡花が私の顔を覗き込む。
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