推しへの愛を語る。

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翼の話

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 21時] [固定リンク] PCから [違反報告]

飛行機の翼には大きく分けて3種、基本的な長方形の形をした直線翼、これを後ろ向きに反らせた後退翼、そして俺が大好きな前に向かって反らせた前進翼がある。

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 21時] 1番目の返信 PCから [違反報告]

一般的ないわゆるジャンボジェットだの世間一般の戦闘機だの、我々が普段見かける飛行機は後退翼を採用している。何故って、そりゃあ見るからに空気抵抗がよさそうだし、実際数多くの利点がある。想像してみてほしい。折り畳み傘を前に突き出して歩くとき普通に持つのと、いわゆるお皿の形にして持つのとどっちが楽かって。普通に持つ方が楽なのだ。

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 21時] 2番目の返信 PCから [違反報告]

ところが、である。世の中には逆張りが好きな人間がいるもので頑なに一見してメリットがなさげな前進翼を採用しようとする人たちがいる。原理的な部分は端折るが、前進翼には決してメリットがないわけではないのだ。それはほぼ一点に限ってと言っても過言ではないが、人類が翼を手に入れて以来欲し続けたものでもある。

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 21時] 3番目の返信 PCから [違反報告]

普通飛行機は曲がり続けると空気抵抗で速度が落ちて墜落してしまうのだが、前進翼はそれが起きにくい。つまり曲がり続けなきゃならない戦闘機にめちゃめちゃ向いている。以上、メリットはこれだけ。他方デメリットを挙げると、本質的に不安定な形状の上に、ある速度を超えると致命的な振動が生じて最悪破壊されるので強度が高める(≒重くなる)必要があるって致命的なものがある。とても釣り合いっこない。

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 21時] 4番目の返信 PCから [違反報告]

じゃあ、そんな前進翼を採用した愛すべき実例を紹介していこうではないかと。まずは旧日本軍の多くの戦闘機たち。「いやいや、どう見ても直線じゃないか」と思ったそこのあなた。間違いではない。実際前の縁は反っていない。後ろ側を観察してもらえば反っていることが分かるのではないかと思う。低速(≒破壊限界に至らない)で小回りが重視されていた当時としてはそれほど珍しい設計ではないが、とても美しい。だが、まだ前進が足りない!

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 21時] 5番目の返信 PCから [違反報告]

NASAのX-29実験機。傑作低予算戦闘機F-5を大本として数種の戦闘機の使える部分を流用して生み出された低予算実験機。低予算を連呼しているがそれを感じさせないくらい元の機体からイケメンな方向に進化を遂げた。先述したとおり、前進翼の特徴はその不安定さである。不安定さを補うにはどうしたらいいか?それは単純に外部から打ち消すように力を加えてやればいいのだ。X-29には元の機体にはない部品、機首の横についている小さい三角形の翼、カナードが付いている。
そしてもう一つの大きな特色として、開発当時の最新技術である機体にかかる力をコンピューターで計算して絶えずそれを補正し続けることで、とても人間には飛ばせない不安定な機体を無理やり飛ばすCCVが使われている。またCCVの採用により「不安定さ」というデメリットが、そのまま「ありえない動き」ができるというメリットに変化したのである(他の飛行機にも同様に言えるが)。
細かい技術類はさておき、人間に操れない機械をコンピューターが自在に操るってとても浪漫がありませんかということを言いたかった。エリア88では主役を張っててめちゃめちゃかっこいいぞ。

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 22時] 6番目の返信 PCから [違反報告]

まぁでも実は「ありえない動き」をするにはバランスがある程度崩れてればいいだけなんだからわざわざ前進翼にすることはないのだ。というわけでX-29が集めた前進翼のデータがアメリカでは採用されることはなかったわけだ。無論X-29にはそれ以外にも素晴らしい新技術が採用されていたし、そのデータは後々の航空機開発に生かされたことは言うまでもない。

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 22時] 7番目の返信 PCから [違反報告]

ところ変わって北の国、ロシアのスホーイ設計局にて新たな前進翼機が開発された。ロシアでは戦闘機の曲がりやすさ、旋回性を重視するという伝統があり、その点に優れた前進翼の戦闘機が誕生するのは歴史の必然である。とまぁ御大層に書いたが、何故Su-47の出自は割と謎なのだ。もちろんロシアという国が秘密主義なのはさておき、本機の開発が始まったのは1980年代である。その開発期間中に現在のロシア連邦共和国の前身、ソビエト連邦の崩壊を挟み、その後の社会の大混乱を挟み1997年の初飛行にこぎつけた難産の子であるため、少なくとも俺の手に入る範囲にはまともな資料がないのだ。
よって俺に言えるのはこの飛行機めちゃめちゃかっこいいよ、ただそれだけ。お時間があればぜひ画像を検索してみてほしい。X-29同様の翼で構成された機体が真っ黒に塗装されており非常に映える。また、飛行性能も非常に高く、航空ショー等に頻繁に登場する。
しかしながら本機の開発は予算不足により頓挫、以降スホーイ設計局はPAK-FA、現在のSu-57の開発へと主軸を移した。世の中には図面が引かれただけで終わってしまう、水子の飛行機が山ほど存在する中で、難産とはいえこの世に生を受け活躍の場が与えられていることは本機にとっての幸運といえるであろう。

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 22時] 8番目の返信 PCから [違反報告]

現実では困難にぶつかり、消して華々しいとは言えない前進翼ではあるがフィクションにおいては非常に映える。マクロスシリーズではかなりの種類の前進翼機が登場する。かっこいいから見てね

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 22時] 9番目の返信 PCから [違反報告]

長ったらしいので一応隠しときます

白アザラシ (プロフ) [2018年8月22日 22時] 10番目の返信 PCから [違反報告]
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