残菊さんへ!「う、ひぃいぃいぃ.....。」ぼろぼろになった服でルイスが帰ってきた。「ただいまですー....。はぁ、本当困っちゃうわ〜。」如何やらちょうど戦ってきたらしい。ごく普通の海外組織に絡まれた様だ。「ま、倒したからいっか。いてて....。」そういい傷口をさすった。
「お帰…え?」普段通りにお帰り、と迎える積りだったのだが途中で驚愕に変わってしまった。そりゃあそうだ、社員がボロボロになって帰ってきたのだから。心配と動揺が入り混じる内心、急いで彼女に近寄る。「大丈夫…じゃなさそうだけれど。とりあえず治療よね、治療!」一先ず、彼女に近くの椅子に座る様促して。治療箱を棚から出そうと、棚の扉を開いた。
「わーん、社長ごめんなさーい!」笑いながら謝った。「態々すみませんねぇ。怪我はワタシの不注意でした〜!」てへへ、といつもどおり愉快に笑って見せた。
「謝る必要は無いのだけれど…一つ教えて貰っても?」普段と変わらないトーン、速度で話す。取り出した治療箱から、ガーゼやら消毒液やら、包帯を取り出した所で気がついた。自らの異能を使った方が早かった事に。何時もの様に笑う少女に、自分の聞きたい事を云ってみる。「それは、何処の組織に負わされた傷なの?」彼女も微笑んではいる。心境はとても笑ってはいられなかっただけで。これは少々報復の有無を考える事も必要かもしれない、なんて考えていたのだった。
「いてて、消毒が染みる〜」若干涙目で云った。「海外組織で、麻薬輸入が本業だそうで。麻薬を扱ってる辺り、ただのグレたおっさんです。」知っていることをぽつりと云った。「ま、そいつらの集団に会わなきゃただの雑魚ですよ。真逆、復習するおつもりで?その時はワタシも行きますよー。」にっこりと笑った。
「まあそりゃあ。ド派手にやった物ね」ふう、と溜息をついて治療を進める。異能で回復させていた所為で少し手つきが不器用であった。これは治癒学も学ぶ可きだろうか。「ふぅん…」成る程、と彼女にしては反応が薄い。否、策略を練って居たのだ。その集団の素性は社員に詮索させれば割れるだろう。腹黒い婦人である。
「やっぱり社長の治療は安心しますねえ。」彼女もやけに落ち着いてるのは、どう復習してやろうか悩んでいるのだろう。「うーん、流石に死なせちゃ駄目ですかねー?拷問でもいいかも。」躊躇いもなく恐ろしい事を云う。
「あれ、そうなの?てっきり痛いだけかと思って居たのに」意外だったのだ、相手の発言が。自分の怠慢の現れである筈の治療に安心するとは。中々嬉しい物でもある。「別に殺して大丈夫じゃない?マフィアに濡れ衣着せりゃ終わりだし」彼女の云う様に拷問にしよう。そう思っていた。無惨に殺害した後はポートマフィアがした事だと嘯けば良いのだ。彼女は先程と一転し、満足げに頷いた。
「まぁ痛くても治療されれば嬉しいですし!」にかっと笑った。「拷問ねぇ....。爪でも剥いでやろっかな〜♪」陽気に鼻歌を歌い、楽しそうにした。「マフィアはご愁傷様ですねー。きゃはは!」
「ふふ、そんな物なのかもしれないわね」今一彼女には分からなかったが、相手が云うならそうなのだろう。何かを喜べるのは良い事だし、気にしない事にする。「爪剥ぎじゃ軽いかな」まだまだ足りない、と云ってのける。この社員にしてこの社長有りといった所か。彼女の中ではここに記すのも憚れる様な凄惨な拷問法が浮かんでいた。「まあ、いいんじゃない?」マフィアは元々、恐怖の権化なのだから。
「いえいえ!爪剝ぎなんて無論、生温い!ただの前菜ですね。ディナーはもっと過激じゃなくっちゃ!」火炙りなんて如何でしょう、と提案を出した。彼女は殺さない程度に痛めつけ、最期にドブにでも入れてやるつもりだった。慈悲が無い。それは所謂彼女の特徴である。「ま、そいつらをどーするかは社長の指示次第ですね。」自分達にとって、良い玩具を社長に委ねるという事は、かなりの厚い信頼を寄せているからであろう。
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