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『…らい、き、』ポツリと彼の名前を呼ぶ。
「……ん」ふるり、と瞼を震わせる。
『…可哀想な子』目を伏せて苦笑する。
「ちぁ、う……」そう言って、霞む瞳を瞬かせる。
『起きたか…』手を離す
「くろ……」ぼやけた目で黒柊を見詰めようとする。
『なんだ』呼ばれたので答えてみる。
「ごめ、なさ……っ」苦しそうだが、謝る。
『何について謝っている?』 雷輝をじっと見つめる
「ごめ、なさぁ……」えぐえぐとしゃくりあげながら丸くなる。
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