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シリンくんと東暁さんシリンくん敵方設定でスパイ的な話だったと思うのですが、ちょっと今日考えたのが、シリンは東暁の暗殺を依頼されてきた潜入工作員で、暗殺を失敗して東暁に捕まる。なんてどうでしょう?
あ、それ良いですねっ気に掛けていたのに裏切られた、と思った東暁は疵付きそうで美味しい美味しいっっっ()
じゃあ、裏切るより前から書きますか? ちょっとやんわりな東暁さんが見たい()どちらから始めましょう?
じゃあグラさんからお願いしますっ
はい*紫淋は偵察から帰り、上官である東暁の元へ報告に向かった。今回は上手くいったとか、下手をやらかしたとか、そういう感情は全く紫淋の面にはない。いつもいつも、淡々と報告する。「今日も付近にこちら同様あちらも偵察を送っていたようです。撒くのに二人ほど始末しました」全くトーンの変わらない紫淋の報告。これが「自分の陣営の同志を討った」という報告だと誰が思うだろう?……そう、紫淋は敵方のスパイであった。勿論、東暁もそれは知らない。
「そうでしたか……何時も偵察ご苦労様です。休暇は要りますか?」僕が出せる範囲で出しておきましょう、と言いながら東暁は報告書に目を通し、判子を押す。そしてふと、口元を歪めて呟いた。「何か変わったことはありましたか? 例えばあちら側の作戦計画やら」
「あくまで推測ですが、最近偵察ばかりですから、もしかしたら、近々何か打って出るつもりかもしれませんね。きっかけを探っているか……きっかけがもうすぐできるか」休暇については首を横に振り、そんな推論を並べ立てる。自身で言うところの「きっかけ」であろう紫淋に、顔色一つ変える様子はない。
「ふむ。……君の推測が正しいとすれば僕はまた狙われそうですね。……紫淋くん、暫く君は僕の傍に居ない方が良いかと」何かあってからでは遅いですしねえ、と言いながら東暁は立ち上がり、紫淋に背を向ける。……窓の外を眺めるようだ。
「ですが……」と言いかけてやめた。この人物がそんじょそこらの一兵卒に負けるわけがないのだ。自分が捨て身でもきっと、勝てないだろう。「……今日はこれで、失礼致します」
「はい、ご苦労様でした。後で追加給与の申請を出しておきますね」ゆっくり休んでください、とだけ言って東暁は紫淋に軽く手を振った。窓の外を見詰めたまま、僅かに目を細めている。
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