- Welt voller Ketzer 世界観

この世界では、二つの種族が対立関係にあった。
"人間と食人鬼"
この言葉を耳にすると、普通何を思い浮かべるだろうか。
食人鬼に怯える人間達？それとも人間に殺され、退治される食人鬼？ベタなものとしてはこのようなものが浮かぶはずだ。
だがこの世界はそんなものとは比べ物にならない、より一層突飛なものだった。
まぁ一つ。人間を食べたい食人鬼。それは変わらない。
そして二つ。食人鬼に怯える人間達。…とでも言えば世界線としては真っ直ぐになるはず。
と言うのも、この世界では人間達が可笑しいのだ。
人間は食人鬼の瞳や牙、手などが大好物。
"異常性癖者,"そんなところだろうか。
美しい、素晴らしい、欲しい。
いつしか食人鬼は恐れる対象ではなく、人間達の興奮を満たす玩具となっていた。
娯楽として自分達を手に入れようとする人間に、食人鬼も黙っていない。
人間は食料。食料に殺されるなんて冗談じゃない、と殺しにかかる。
そして人間も馬鹿ではない。
欲しいものを手に入れたいという欲だけは強い種族だ。絶対に食人鬼を手に入れたいと、彼らもまた武器を手に取った。
全ては自分達の娯楽のために。
こうしてこの世界の抗争は増していくのである。
始まりはいつなのか。
終わりは来るのだろうか。
それは誰にも、わからない。

夕 (プロフ) [2016年12月21日 16時] 1番目の返信 [違反報告]