鳥居ノ下デ、さようなら

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ミラ姉(かざま。)さん用

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月3日 11時] [固定リンク] 携帯から [違反報告]

「さぁてと、お掃除終わりー」
しょーじは竹箒をしまい、んー、と伸びをする。
するとなんだか石段を上ってくる足音。この足音は……
「すぅ姉!」
相変わらずよくわからないネーミングである。
石段を上ってきたのは桜舞ミラである。

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月3日 19時] 1番目の返信 携帯から [違反報告]

「わあ、すぅ姉の好きなやつだぁ。いいの?」
こてんと首を傾げてみせる。
疲れるとか、お腹がすくといった感覚が鈍いしょーじは食べ物をあまりすすんで食べることはしない。
意外と謙虚なのである。

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月3日 19時] 2番目の返信 携帯から [違反報告]

「えへへ、すぅ姉の手、きもちい~」
撫でられるままになりながら、いただきます、といちご大福を頬張る。粉まみれにならないようそこそこ気をつけて食べ終えると、
「そだ、お茶淹れるよ。すぅ姉も一緒に飲もう」

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月3日 20時] 3番目の返信 携帯から [違反報告]

「そうだねー」
湯飲みに口をつける。少し深めに淹れたけれど、すぅ姉の口に合うだろうか。
「すぅ姉は天気晴れてるの好き?」
他愛のない話題を振った。

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月4日 11時] 4番目の返信 携帯から [違反報告]

「桜かぁ」
早く咲くといいね、とすぅ姉の心情を読み取ってか、しょーじが呟く。
「でも、夜桜とかの方がぼくは好きかな」

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月4日 14時] 5番目の返信 携帯から [違反報告]

しょーじが珍しく顔を曇らせる。
「……あんまり遠出はできないよ、ぼく」
もう、神域の加護なしでは、ほとんどのものが見えないしょーじ。
神社の外に出られないわけではないが、それでも近くがせいぜいで。
「……近くに桜あったっけ」

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月4日 14時] 6番目の返信 携帯から [違反報告]

「あー、あれ桜だっけ。物忘れがひどくていけない」
容姿に似合わぬ年寄り臭い物言いをして、しょーじは笑う。
「右近の桜、左近の橘だっけ」
どこかで聞いた知識を引っ張り出した。

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月4日 14時] 7番目の返信 携帯から [違反報告]

「白い花だよ。確かいい匂いがするんだって。桜と並べられるくらいだから、相当綺麗な花だよ」
ちゃんと見たことはないけれど、そういえば、桜の木の反対側にあるのは橘じゃなかったっけ。
「橘は夏に花が咲くんだって」

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月4日 15時] 8番目の返信 携帯から [違反報告]

「えへへ。意外と灯台下暗しだよ。桜の近くにある」
少し楽しそうだ。
「橘って、花は夏の季語で、実は秋の季語なんだって」
少し得意げでもある。

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月4日 15時] 9番目の返信 携帯から [違反報告]

「うんうん。ぼくも作ったことないな」
きっとすぅ姉は季語とか無視して変な詩を作るだろうな、と想像して、しょーじは少し笑った。

ペンネグラタン (プロフ) [2017年3月4日 15時] 10番目の返信 携帯から [違反報告]
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