裏路地の黒猫

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「つっかれたー」
久々の“宮守 ひかる”の声だった。
暫くの間長々と陸軍と敵対する組織に潜入し、下っ端の男『宮守 耀(ヒカル)』を演じてきたせいか、男声…ボーイアルトくらいの声でしか喋らないままだったが、元の声に戻し、今はちゃんと女声だ。

「暫くこんなふかふかのお布団で寝てないよ…」と自室のベッドにダイブし、仮眠をとったあと、今度は“宮守 ひかる”として街に出かけた。目的地がある訳でもなく、ただ、ふらふらとするだけだが。

「普通の女の子になりたいな…でも、こんなどす黒く汚れちゃったら無理かなぁ?」
と、悲しげに呟いたのを誰かが見ていた。

みりんちょこ (プロフ) [2016年11月29日 0時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

「あら、聞こえちゃいました?でも、…知らない人に事情を話す程、僕は節操のない人間ではないですけど」
顔は笑っているが、目は笑っていない。これでも毎日のように秘密を抱えて生きているの、と心の中で付け加えながら。

みりんちょこ (プロフ) [2016年11月29日 17時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

「…友達なんていないよ。私、そんな関係の築き方分からないし」
今のは、全て嘘。違和感のありそうな顔をして、騙すというのも今までの経験から得た技術である。何処かの令嬢の振りでもして、一応詮索されないように気をつける。
「私は、その、…まず、人とお話するのも不得手で」

みりんちょこ (プロフ) [2016年11月29日 19時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

「世の中人それぞれだから。それに、それでご飯食べていく事が出来てるんだから、いいんじゃないかなとも思う」
そろそろ、この“お嬢様設定”が身体に馴染んできた感じがする。
(多分、分からないけどこの人マフィアだ。早く馴染ませないと)
設定が馴染んできたら、もう嘘は見抜けない。それが彼女の才能の一つ。

みりんちょこ (プロフ) [2016年11月29日 20時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]

「え、こうそう…りくぐん?」
何が何だか分からない。
「なんですか…?それ。」
これは、この彼女の態度は嘘ではない。本当に彼女は分からなくなっている。只のお嬢様としての“設定”が完全に定着した。
彼女の瞳には、今、嘘は一つもない。

みりんちょこ (プロフ) [2016年11月29日 20時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

「そう…なの?危ない事は嫌…」
ある業界ではかなり階級の高いお嬢様。マフィア、陸軍などの単語とは全くの無縁の深窓の令嬢。
そんな情報を無意識下で全て定着させ、本来の人格の皮をかぶった別人に成り代わっている。
「!…あら、そろそろお母様が帰ってきちゃう」

みりんちょこ (プロフ) [2016年11月29日 20時] 6番目の返信 スマホ [違反報告]

自室に見つからずに戻ったら、今度は男装して、外に出た

(…さっきの人だ)
違う道を通ったはずなのに、まだ彼女はそこにいて。

みりんちょこ (プロフ) [2016年11月29日 21時] 7番目の返信 スマホ [違反報告]

「…」
まるで無視するように無言でその場を立ち去ろうとする。
今の格好は、真面目そうな男子学生だから。

みりんちょこ (プロフ) [2016年12月4日 18時] 8番目の返信 スマホ [違反報告]
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