やらかした。
久しぶりにちゃんと損害が出るかんじのことをやっちまった。ちょっと天狗になってたな、最近の俺。
ヤバいって時に他責思考に陥ってしまうと冷静な判断が下せなくなる。でもヤバいときに限って他責思考に嵌ってしまうのは、やっぱり人間の本能的なアレなんだろうな。それを克服しうることが精神的修養の意義なのだろう。
俺だけが悪いわけではないと思う。10年に1度あるかないかのトラブルなんだ。たかがまる6年やったくらいの若造に適切な対応が取れたと思うか?とはいえ、やっぱりあそこで一歩立ち止まって冷静になれてたら、あそこで変に過小評価をしなければ、ちょっと楽しようなんて考えなければ結果は変わっていたかもしれない。
これはもう、日本中どこの職場に行こうが、あるいは世界中そうなのかもしれないが、初心者が学ぶべきことは多いのに、それは大抵明文化されていない。6年やってても知らないことだらけだ。ましてや昨日入った新人なんて。
もしも通常の手順を逆からなぞっていたならば。一番の分岐点はそこだろうな。でもしょうがないじゃないか。通常の手順が分からないんだ。誰も教えてくれなかったんだ。どこにも書いていなかったんだ。
分からないことがあったら聞けばいい。困りそうならあらかじめ確認しておけばいい。それは正論なんだけれども、だけど未来のことなんて分からない。全部を全部確認してそれを一通り覚えるなんて、よほど賢い人間じゃなきゃ絶対に無理だ。
機械の横にマニュアルが貼ってあったらこの事故は防げたんだ。たとえ教えてくれる人がいなくたってそれを読めば済んだ話だ。これを作ることは明日にもできる。俺でもできる。何せ一回経験したんだ。
ベテランのおっちゃんたちはそんなもんいらねぇって言うだろうな。機械の横に引っ張ってきてわかるまで言って聞かせてやらせてみればいいって。それが一番いいやり方なのは論を待つまい。
だけれど現実問題、新人に教えてやれるだけの時間がない。今後も確保できる見込みはない。何せ人口そのものが減ってるんだから、一人一人の仕事が軽くなることは、永劫ない。だったらもう、教育すらもインスタント化するしかないんだ。
撃ち方の分からない鉄砲を渡されて、そんでもって機関銃陣地に突っ込まされて、たまたま生き残ったのが俺であり、ベテランのおっちゃんたちだ。こんなことをやっているから業界全体から人がいなくなる。自分の今までが全部無駄だとは思わないが、賢いやり方だとは思わないし、こんな思いを人にさせたいとも思わない。
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