クルセイダーは名乗らない

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三人寄っても

on (プロフ) [2016年7月9日 6時] [固定リンク] PCから [違反報告・ブロック]

「メーアー」
「なに、兄ちゃん」
「お前、どっか行くってマジなのー?」
「漠然とした情報だね」
「だって覚えらんねぇんだもん」
「…兄ちゃんの頭には馬と鹿が住んでるのかな?」
「入るわけねぇだろ!お前馬鹿かよー!」
「その言葉を覚えておくといいさ」
「は?んでよー、」
「あんま深く考えないんだね」
「わかんねぇからな!」
「そうか、兄ちゃんが馬鹿だってこと忘れてたよ」
「んで、お前どこに行くんだよ?ばあちゃんち?」
「んな軽いもんじゃないし。戦争だよ戦争」
「はぁー?じゃあなんで俺は行けねぇんだよ」
「僕に聞かれても知らないし。軍人じゃないからじゃないのー」
「ふーん…そうなのか…」
「なになに?弟がいなくなったら寂しいか?」
「んー、まぁな。家事の面で」
「脳天気な馬鹿だよね」
「ま、生きて帰ってこいよ。俺は待ってるからな」
「あったり前。こんなダメ兄貴残して死ねないでしょ」
「さすが俺の弟!絶対だぞ!約束破ったら殺してやるかんな!」
「その頃にはもう死んでるっつーの」

on (プロフ) [2016年7月8日 5時] 1番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

守りたかった

on (プロフ) [2016年7月6日 22時] [固定リンク] PCから [違反報告・ブロック]

湊過去編

on (プロフ) [2016年7月6日 22時] 1番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

僕は何がしたかったんだろう。勝手に引っかき回して、壊して、迷惑をかけて。おまけに人の命まで奪って。愛した人を失って、愛された人を奪って、居場所をなくして、ひとりになって。何もいいことなんかなかったじゃないか。僕は、僕は…。
ぼくは ばけもの だったんだ。
僕が来てから、彼にいいことなんて一つもなかった。僕が来たから、彼は死んだ。殺された。
すべて ぼくのせい。
神様、どうかお願いします。1度だけでも願いが叶うなら。彼に、彼に僕を助けるなと伝えてください。僕の代わりに命を犠牲にするなと、僕は死んでも構わないからと、そう、生きていた彼に伝えてください。
「あ、あ…!」
言葉にならないこの感情は、涙に溶けて消えていった。彼への感謝の気持ちも、家族としての愛も、君を失ってしまった悲しみも。声にならずに、言葉にならずに、君の額に消えていった。
お願いだ。もう1度、その綺麗な瞳で僕を見て。僕に微笑みかけて。僕の名を呼んで。
〈____〉
もう忘れてしまった。僕の名を呼んでくれたその声を。…僕の名を。
「瞳…っ!」
唯一教えてもらった言葉は、その綴りすら、本当の発音すら不確かだけど、確かに君は僕がそう言った時、
〈嬉しい。ありがとう〉
と、そう言ったんだ。

on (プロフ) [2016年7月7日 4時] 2番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

始まりは施設だった。こじんまりとした、どこにでもあるような孤児院。
父と母を交通事故で失った僕は、ここに連れてこられた。不幸中の幸いだが、僕は偶然物を落としてシートから下りていて、交通事故で命を落とすことは無かった。ただ、その代償に、右目を失った。
当時の僕には重い代償だった。義眼を変えるお金もなく、かと言って働けるわけでも、目の居場所が分かるわけでもなかった。叔母も、叔父もいない。里親も右目を気味悪がって、引き取ってくれる者はいなかった。
体を売るしかなかった。
単純に金を稼ぐためには、これしか方法がなかった。金を稼ぐために一時的に義眼を手に入れられるし、生憎顔はいい方だったからだ。どうせ、施設でも同じようなことをされるんだ。金をもらえるだけいいじゃないか。なんて、幼いながらに思っていた。
「…」
とんとん、と肩を叩かれるのが僕への指名の合図。僕は読むことも書くことも話すことも出来ないからだ。聞くことは少しなら出来るが、長文を聞き取れるほど僕の脳は容量が良くないようだ。
「…あ、ぅ」
入ってきた客に申し訳なさそうにお辞儀をする。通訳の方が、「この子は言葉が話せないのです。どうかお許しを」と耳打ちをした。客は気にしていない様子で、「そんなことは関係ないだろう?」とにこやかに返答していた。

「君が、ハリーくんかな?」
身を乗り出した客が問う。自分の名前はわからない。とでも言うように首をかしげてみせると、客はケラケラと笑って、
「そうかそうか、知らないか。なら、僕が名前を付けてあげよう」
と言った。
おかしな人だと思った。よりによってこんな僕なんかに名前を付けるだなんて。しかもその名前、ミナト、だなんていう変な名前だ。邪険な顔をすれば、客はいやあごめんごめん、と愉快に笑っていた。
「ぁ、ふ…ぇあ、あ」
必死に君の名前は、と問うが、相手には伝わっていないようだ。少し悲しくなって、眉を下げて彼を見たら、心配そうな顔をしていた。本当に物好きめ。
「僕の名前はね、瞳だよ、瞳」
「ひと、み?」
「そうそう!嬉しいよ、ありがとう」
客、否、ひとみは、確かにそう言って笑った。

on (プロフ) [2016年7月7日 4時] 3番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

書込み禁止

on (プロフ) [2016年7月6日 20時] 1番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]
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