わわわのボード
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メッセージ一覧
「嫌いだ、俺から全部奪っておいて離れやがって、今のその態度も世界で一番嫌いなんだよ」
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そうブツブツと呟きながら真っ暗になった部屋でグッと何かの首の部分に力をいれる姿は世に〝日本の至宝〟とうたわれるような姿ではなくドン底に落ちたような表情をしている。
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嫌い…憎い…好き…
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いろいろな感情が入り交じる脳はもう考えることは放棄し、ただひたすらに手に力を込めていく。
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「目を離した隙に俺の前からいなくなるから…だから俺の手で殺してやる」
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苦しませるよう、わからせるよう、強く、強く握りしめる。酷くきれいな色をした目からこぼれ落ちる水滴はは真っ黒な部屋の中に光るたったひとつの灯火のようであった。
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彼は苦しそうな表情をするも笑っていた。スルリと震える手で首を絞める手を撫でそのままぎゅうと慰めるように抱きしめられる。
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ハクハクと口角をゆるくあげて「さ、え」と掠れた声をあげる彼をみてハッと我にかえる。
そして自分が泣いていたことにも気づき目の前にいるものは「冴、さえ」といい続けている。
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そのままのし掛かるようにだきしめればソファがギシリとなった。
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「兄ちゃ…ん…」
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キイとドアがなる。そこに立っていたのはグスグスと泣く彼の弟なのだろう。兄と呼ばれた彼は見向きもせずすがるように抱きついている。
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震える手で兄を抱きしめると「嫌だ、いやだ」と小さな声で呟くのが聞こえてくる。
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絞めていたのは彼と一緒に買ったぬいぐるみ。その彼は数日前から小さな額の中で幸せそうに笑っていた。
わわわ (プロフ) [2023年5月1日 21時] 1番目の返信
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