さなのボード
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メッセージ一覧
さな (プロフ) [2018年11月23日 17時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]…………は……?
こいつ何で。何でそんなことで泣いてんの。
「別にあんたは痛くもかゆくも無いでしょうが」
「違う、んです、」
「じゃあどうしたのよ」
「ヌナに……」
「は?」
「ヌナに、泣かせてあげられなかったから……」
とナムジュンに体を反転させられて。後ろから抱きつかれてる形だったのが今度は胸板に顔を埋める体制になった。
「泣いてください、ユンジヌナ」
「我慢しないで、泣きたいだけ、好きなだけ。泣いてください」
……ああ、もうほんとに。情けない。
年下の前で、ましてやこいつの前で。弱いところを見せるなんて絶対、ぜったい、
「ううーーーーっ、………ぅあっ、あ、ぐっ、うぁぁ……、」
さな (プロフ) [2018年11月23日 16時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]「痛いでしょう、」
「別に。もう慣れたよ」
「手当しますから家来てください」
「や、それは……」
丁重に断りながら、私に絡みついた腕を解こうとするとそれに刃向かうかのように。背中に回された手がより強く押しつけられる。
「何してんの、離して、」「ヌナ」
諭すような声色に思わず抵抗が止まった。
「……ヌナってこんなにちっちゃくて細かったかな、」
「ナムジュン?」
何だかナムジュンの声が震えてる気がして。少し体を離して顔を見てみればやっぱり。
「何であんたが泣くのよ……」
「だって、っ、ヌナがこんなに辛かったの気づけなくて、」
さな (プロフ) [2018年11月23日 16時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]『女は泣けば許されると思ってる』と彼は言った。
『でも君だけは違う』とも。
『君みたいな人は始めてなんだ』なんてそんな台詞にまんまと溺れて。
誰かに、自分を認めてもらうことが初めてだった。
美人さんだね、とか頭がいいね、とかじゃなくて。私という人間自身を褒めてもらえたことが嬉しくて仕方なくて。
初めてあなたの手のひらが私の頬を叩いたときも、初めて食器が飛んできたときも、初めて先の尖った銀色のものの先が私に向けられたときも。一滴の涙も流さなかった。
耐えれば。彼からの愛を受け取れると信じていた。
けれども。
その刃物の先が、私の頬を掠めて。鋭い痛みが走って。ベタつくような違和感を覚える所を拭ってみれば、指にまとわりつくのは生暖かい紅。
『っ………うっ……ぅぁっ、』
ぼろぼろ溢れて止まらないのは紛れもなく。私が彼の前で絶対に流すまいと決め込んでいたそれで。
自覚した瞬間に。頭に鈍い衝撃が走って。
次に私が目を開けたとき、彼の姿はもう無かった。
さな (プロフ) [2018年11月23日 16時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]「これ誰が……?」
頭上から降ってくるナムジュンの声。
だめだ。だめだ、って分かってるのに。視界がどんどん歪んで震える。
「誰があなたにこんなことをしたんですか…?!」
「………大げさね。転んだだけよ」
「ユンジヌナ!!」
「っ、ぅあ、」
少し荒らげられた声が鼓膜を揺らして、肩が上下にびくりと揺れて。
そして押し寄せてくる、どうしようもない恐怖。
『このクソ女が!!!!!』
罵声も。痛みも。苦しさも。全て愛の裏返しだって、私がクソ女なのが悪いんだって、耐えなきゃいけないんだって。そう言ってたじゃない。
『ゆるして……ください………、』
『あなたの彼女として恥ずかしくないような……女に…なり、ますから……』
『だから………………』
「こんなの、こんなのやめてくださいっ、」
「ヌナ!!!!!」
次の瞬間、襲ってきたのは拳でも暴言でもなくて。
ナムジュンの、腕の中のぬくもりだった。
さな (プロフ) [2018年11月23日 16時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]でぃーぶい彼氏にフラレて傷心のユンジちゃんが家の前の階段で下唇を噛み締めていれば自習室からナムジュン君が帰ってくるんだ。足音がした立ち上がると
「ヌナ?」
「……こんな時間までよくやるわね」
「ヌナこそこんな時間にこんなところで何してるんですか?」
「何もないけど?……お疲れ様。おやすみ」
階段を登ろうと振り向いたユンジヌナの腕を取って。
「唇…………血が、」
「あ……」
苦しい言い訳もどきは「っ、」ナムジュンと目がバッチリあってしまって喉の奥でぐっ、と突っかかって。視線をうろつかせていれば冷たい外気に晒される腕とそこについた生傷。