桜芽杏のボード
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学校帰りに寄るスーパーのフードコートでは、いつも決まった味のクレープを頼んでいた。
二人で向かい合い、世間話をしながら食べている途中で、よく彼は途中で話を止める。そして、少し遠くで買い物をしている、少し年上の女性を見つめては「美人だなぁ」と呟く。
全く、いつものことながら呆れるね。本当にお前は美人が好きだなぁ。
私が苦い笑みを浮かべると、彼は「お互い様だろ」と、少し眉をひそめた。私は買い物をしていると、いつもアニメグッズに目を惹かれてまともに話ができないらしい。
そう怒んなよ。
食べかけのイチゴクレープを差し出すと、彼は満足そうに笑った。そしてクレープを持っていた私の手を上からつかみ、私の口元に戻した。
「クレープはいらねぇから、今日はずっと俺のこと見ててくれ」
いたずらな笑みを見せる、金髪で黒メッシュのチャラ男は、いつもより格好良く見えた。
【大切な人との、過去の話】
桜芽杏 (プロフ) [2019年2月20日 18時]
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