Vices and virtues

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(出会い目的の書込は法律で罰せられます→ルール)

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事の発端はなんであったか、と寒空の下。一台のワンボックスカーの中。思考を巡らせれば、スーパーコンピューターのごとき処理速度を有する天才の頭脳は、時候に左右されることなく解を導く。
引きこもり生活中の美徳の頭領たる針館ウ井。とある幹部が彼女を外へ連れ出し、幹部達の集まる会議に出席させたことである。今後の方針や予算の兼ね合い、人員の入れ替えなどを采配し終えたその日のことである。
ヘトヘトになった針館がさぁ早く帰らせろ映画の続きを観させろと、彼女を引きずってきた幹部に帰路の手配をさせようとしたところで、会議室内に着信音。その幹部が通話した内容によれば、その持ち場で一件面倒事が発生してしまったとのこと。針館は対処をその幹部に一任したが、その意図は信頼かそれとも帰宅することしか頭に無いのか。恐らく六割は後者が占めていただろう。
そして急遽針館の帰路のボディガードとなったのが彼女の配下・美徳の幹部たる啓であった。適当な笑みを貼り付けたような冷やかな表情の彼に向けて、針館は呟きのような言葉を発した。
「この窓ガラスは古くなっていたっけ?さっきの会議で買い換えも提案すれば良かったね」
こつ、こつ、と。自身のすぐ側。ヒビが入ったばかりの防弾製の窓ガラスを針館はノックした。
針館と啓、他運転手一名を乗せて走るこの車体。三つ目の弾創を生んでしまったところであった。あぁ、プラス1。たった今、四つ目が。

鈴美 (プロフ) [10月18日 2時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

専用です~

鈴美 (プロフ) [10月18日 2時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

悪徳は今、大変な危機に見舞われていた。
「無駄遣いのし過ぎですッ!明日から、いえ、今日から全員三食おにぎりかパンのみッ!飲み物は水だけ、コーヒーもなし!いいですね⁉︎」
ここは会議室。スクリーンに映し出されたのは我が悪徳の財政状況を表すグラフであり、確かに右肩下がりでお世辞にも安定しているとはいえなかった。しかも過去最低ときたので、会計が怒るのも無理はない。
それもこれも、食費や装備代(大半がマスターの衝動買い)、訳のわからない出費などが膨大なせいで、よくよく調べると私用でも平気で領収書を切る輩がいた。
ということで、今回緊急的に「今すっからかんだけど、どうする?」会議が行われているのだが、もちろん三食が定食からいきなりおにぎりやパンになるのに皆納得するわけもなく、ブーイングの嵐だった。
そこで見かねたマスターが提案する。
「バイトしようぜ!」
と。

結果で言うと、マスターの案は採用された。
本当は銀行強盗でもして、ちゃちゃっと資金を作りたいところだが、最近では捜査が厳しく、新しくできたばかりのアジトを見つけられては困るので、目立った犯罪は避けるべきなのだ。
…というわけで、皆裏社会のコネを使って副業をすることになったのだが、マスターはというと。
「何これ、聞いてないッ!」
渡された制服を見てびっくりしていた。
黒の燕尾服とショートパンツに、兎耳のカチューシャ。バニーガールの男性版の衣装といったところか。
ただのクラブのホールスタッフだと思ってたのに、これは…。
「大丈夫、うちはこういうのが売りだから恥ずかしがらないで。ウケが良さそうなら、男女問わず雇ってるの。お客さんも非日常的な体験がしたいだけよ」
女性店長がタバコをふかしながら、クールに答える。
「さ、左様でございますか…」
オレ二十四なんですけど…男なんですけど…。
…だが、時給がいいッ!ここまで来たらもうやるしかないッ!
覚悟を決めて衣装に身を包む。鏡で見ると、想像よりも幾分かましだった。ていうか、意外とイケてね?
「ここでオレは稼ぎまくるッ」
さっきまでの心細さはどこへやら、マスターは一人張り切るのだった。

女臣 ネ申 . (プロフ) [10月14日 23時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

だれでも

女臣 ネ申 . (プロフ) [10月14日 23時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

私、クロエ・ヴァレンチノは意気揚々と街を歩いていた。なぜ機嫌がいいのか、それは休日だからである。
家から出ない頭領の世話を焼くわけでもなく、悪徳と戦うわけでもなく、書類仕事をするわけでもなく、なにもないのだ。久方ぶりの休日をとことん楽しんでやろうとスイーツビュッフェやディナーの予約をしていたのだ。
午前中はショッピング、正午は予約している料亭で昼食、午後は映画鑑賞と眺めのいいレストランでディナー。
しかしこれはすべて自分一人で行くわけではなく、ある友人を呼んでいる。
待ち合わせ場所には人が立っていた。濡鳥色に青のインナーカラーをいれているショートヘアー。メンズの服に今日はコートを着ていた。恐らく…というか絶対友人である御縁律ことりっちゃんだろう。
気づかれないようにこっそり後ろから忍びより、無防備な首に手を伸ばす。
「おはよう、りっちゃん。今日も寒いね。」
女子らしからぬ声を出して振り返った顔は、赤く染まっていた。恐らく長い間この寒い外で待っていたのだろう。

結梨@復活なう (プロフ) [10月12日 22時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「…!ありがとう!りっちゃん!あと、遅れてごめんね。」
差し出されたりっちゃんなりの気遣いを受けとり、それを見ると「~世界が選んだブレンド~ジョージィ」と書かれていた。それは、自分が苦手とする、コーヒーだった。
これは嫌がらせなのか、いや、な訳がない。無愛想だけれど心優しい幼馴染みがそんなことするはずがない、と。きっと少し抜けている幼馴染みは誤って買ったのだろうと。私はその気遣いを無為にするほど腐った人間ではないと自覚している。
ええい!ままよ!と缶を開けて口にする。口に広がる苦味は私が苦手なものだった。だけれどもそれが親友から渡されたものだと思うと、少し、ほんの少しだけ、甘いような気がする。
よっしゃ!勝った!第二部、完!コーヒーをのみ終わり、ぜぇ、ぜぇと息を切らしていた。強敵だった…できるならもう戦いたくはない…ふと、缶を渡されるときに触れた手が冷たかったことを思い出す。
「ここ…寒い、から。中に移動しよっか。」
返事を聞く前に冷たくなっている手を握り、ショッピングモールの中へはいった。飲み終わった缶コーヒーは備え付けのゴミ箱にいれておいた。
まずはりっちゃんに似合いそうな可愛い服を選んであげよう。それからりっちゃんが好きな本屋をみて、あぁここには酒屋も入っていたな。そこでりっちゃんにオススメのお酒を選んでもらおう。そしてディナーが終わったあとにりっちゃんのお家でつまみを摘まみながら話そう。
期待に胸をワクワクさせながら、ショッピングモールの扉を潜った。

結梨@復活なう (プロフ) [10月12日 23時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

某日午後。
悪徳の事務所を一人の男が訪れていた。その時点で彼は一般人ではなく、裏社会とつながりがある人間ということになるのだが、マスターは警戒することもなく、快く迎え入れた。
応接間に案内するや否や、彼は単刀直入に依頼内容を明かした。
「マスターさん、いいじゃないですか。あんたもお金稼げるし、悪徳の宣伝もできる。いいことはあっても悪いことは何もありゃしません」
「…そうなんだけどさぁー、見せ物じゃないっていうか。わかるだろ?人に見られるとやりにくいっていうか」
ノリで生きてるようなマスターでも、さすがに人に見られながら『斬りつける』のは憚られるらしい。
「わかりました…せっかくフルコースも用意させていただく予定でしたが、マスターさんの分は取り消しにするしかないようですね」
「ふ、フルコースだとッ、そ、それはあれか、時間をかけてゆっくりと食事を楽しむ、あれなのかッ⁉︎」
名詞としてしかその存在を聞いたことのないマスターは、途端に興奮する。だって研究所でも軍でも、栄養素さえ摂れていれば問題ないという考えの下、サプリメントしか食べさせてもらえなかったので、ずっと憧れていたのだ。
「はい、あれでございます」
よしよし、引っかかった、と思いながら男は調子を合わせる。事前に彼に関する情報仕入れておいて良かったと思う。
「わかった、その解体ショー、オレにやらせてくれッ」
本人は食べ物に釣られた、という自覚がないままあっさりと仕事の依頼を受けてしまった。そう、違法クラブの解体ショーという仕事を。
彼によると、最近ショーがマンネリ化してきたのでぜひマスターの稀有なる能力で、新しい形のショーを生み出して欲しいとのことだった。解体されるのは_____どこかの組織を裏切ったり、借金の返済ができなくなったりした人間。
「ありがとうございます。では三日後の夜にこちらにおいでください。一流のシェフにフルコースを用意させますのでお楽しみに」
男はカードを渡すと、事務所を後にした。

女臣 ネ申 . (プロフ) [10月12日 0時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

だれでも

女臣 ネ申 . (プロフ) [10月12日 0時] 2番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

少しというか大分長く…ごめんなさい(> 人 <)

結梨@復活なう (プロフ) [10月12日 1時] 4番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

髪はボサボサ。服もきっと寝巻きであろうジャージ姿のまま、部屋の住人・針館は現れた。成人女性として人前に出るべきでないその格好を晒すのに抵抗なんてものは無いらしい。
「……やぁ、愛らしい美少女になんのようだい。クロエ、愛しい私の『美徳』の構成員ちゃんよ。おはよう。よくもまあ朝からきびきび動けるねぇ」
極度の面倒臭がり屋な針館であるが、口と頭の回りようだけは活発である。映画鑑賞の妨げとなったクロエに対して皮肉のような言葉を交えて、俯きがちに台詞を放った。
目線が合わないのは身長差故である。自身より背の高いクロエの顔を見上げるのも、針館にとっては億劫なのであった。
そう、そんな女が、重役会議なんてものに出席するわけがないのだ。
扉にもたれかかるようにして顔を出す針館はまず、クロエを訝しんだ。大抵の用事ならば通話やメールで済ませてしまう針館の元に来訪。即ち、針館の身柄に用件を抱えているのであろうことは容易く頭に浮かぶ。
例えクロエが、どんなに朗らかな微笑みを携えていても、だ。だって彼女は現に、何度も針館の体を運んで言ってしまうのだから。
だから今日の針館は一味違う。
にこり、と針館は笑った。クロエの位置からでは翳ってしまいその表情は窺えないだろうが。
それでも不必要に微笑んだのには理由がある。そう、何度も繰り返し担がれる彼女でも無い。クロエに対してある対策をしてあるのだ。
「何の用事かなぁ。“私”にわざわざ会いに来るなんて。今日は会議があるけれど、それについてはテレビ通話で出席すると伝えたはずだけれど」
意気揚々と告げる針館の顔の間近でキラリと光る物があった。
セキュリティの整ったマンションでは不要と、オプションで付随していなかったそれをつい一昨日、針館が個人的に業者へ発注した、扉のチェーンであった。
なんと!この鎖一つで!扉を開けさせるという行動を妨げられるのだ!と、いう活力に満ちたナレーションが針館の頭の中で響く。
そもそもこれを見せつけるために普段は遠隔操作で行う解錠をせずにわざわざ玄関まで歩いて来たのである。天才と呼ばれる彼女・針館ウ井。面倒臭がり屋ではあるものの、なかなかに懐の小さい抵抗をするのであった。

鈴美 (プロフ) [10月12日 2時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

大丈夫です~!
お陰で私も遠慮なくのびのび書けました……(^.^)

鈴美 (プロフ) [10月12日 2時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

さて、どう引きずり出そうか。私は悩んでいた。普段は玄関まで来ないのにわざわざ出てきた。素直に連行されてくれるのかと思ったがそれは思い違いだったようだ。
何故ならウ井の顔の近くにはキラリと光るチェーンがあるのだから。そしてなぜかどや顔をしている。脳内で「どうだ参ったか!これでは入ってこられまい!」と考えていそうな顔をしている。
うーんと悩んだあと、私はチェーンに触れた。その瞬間、チェーンと扉の接合部に炎が上がった。私の能力は“身体能力の強化”と“道具から炎を出す”能力。そしてチェーンは“扉の隙間から顔を出し訪問者がだれか見る道具”だ。
鉄の融点は1538℃。私は自分の能力を使い、1600℃の炎をチェーンと扉の接合部に発生させた。するとあ~ら不思議。ガチャンと音がなりチェーンが扉から外れたではありませんか!
実は自分が悩んでいたのは「どうやって扉を開けさせようか」ではなく「どうやって扉を開けようか」であった。
1番目の作戦は「身体能力を強化して扉をひっぺがす」だったがこれは損傷が多すぎるため却下。
そして2番目の作戦が「チェーンと扉の接合部を溶かす」だった。
唖然としているウ井をお姫様だっこし、スタスタマンションの出口へ向かう。バタバタ暴れているが貧弱なウ井では逃れられまい。
たぶんこれが一番早いと思います。
そしてマンションから私の家へ向かう。まともに見せられない格好をしているウ井の姿をまともにするためである。
これできっと自分がお偉いさんがたに怒られることはないだろう。不安のひとつがなくなった私は、どこか晴れ晴れとしていた。
ウ井はまだ騒いでいるが。

結梨@復活なう (プロフ) [10月12日 22時] 7番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

どろ。と。容易く目の前で鉄の鎖が溶ける。
唖然も唖然。天才の脳にしても眼前の状況を理解するのに時間を要した。
そして生物の本能。炎を至近距離で認識して「うわ」瞬時に仰け反った。
「お、お、お、お前お前お前お前!!気狂いなのか!?な、な、何するんだっ!!この私が火傷するところだったろう!?いたっ」
わなわなと拳を震わせて叫んだ。人の住居の付随品を軽率に、どろりと。先ほどまでそこにゆるい弧を描いていたそれは既に融解。じわと熱を放って外と内との境界に滴った。
大声を上げた反動で傷んだ軟弱なあばらを擦る。ほんの少し痛みが和らいだところでひょいと抱えられた。
「ちょっ!?おいっ、おいっ、ふざけるなよ!なんだって、あぁくそっ、くそ、ぜー……ぜー……」
騒いで、叫んで、暴れてるも、あっという間の疲労。諦めてだらりと手足を投げ出した。あまりに体力の無い彼女では数分抵抗するのにも一苦労である。
「……意味など無いさ。寂しがり屋な人類のことを、私は何処からでだって愛せるんだから」」
映画みたいに。と。クロエの腕の中で減らず口を叩いた締めくくりにと、針館はそう皮肉を漏らした。
彼女とて、悪徳との抗争に関心が無いわけではない。能力者という道理から外れた存在が生まれてしまった世界。日常の安寧を願うのならば、誰かがその管理をせねばならないのはわかりきっていた。そして天才たる自分が適任であることも。
けれど「それ」を直に求めようとする者の気持ちは理解できない。もう現代は、地球の反対側の誰かとも意志疎通が容易な世の中なのだ。世界がいくら進歩したって、人類には体裁がまとわりつく。
孤高の城に引きこもることを良しとした天才に、折角世界は追い付いて来たというのに。
針館は目を瞑った。次に目を覚ませばクロエの家だろう。きっと彼女は、甲斐甲斐しくこの不恰好な姿を整える。その手間の由来を、天才は理解できない。

鈴美 (プロフ) [10月13日 1時] 8番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

能力を味わう、それはこの組織に居る時点で覚悟しなければならない事だ。勿論万亀はその洗礼を受けに受け、現在に至る。けれど、我が身を喰らわれるとは全く思ってはいなかったのだ。万亀の能力上炎が出せるだとか物を溶かすだとか、そういう単純な能力ばかりなのだと勘違いしていたのがそもそもの間違いなのだが、それはともかくとして、よもや。
いつ頃喰われたのかは分からない。恐らく影でも踏まれてしまったのだろう。余り考えたくない事なのだが考えなくてはならない案件に、使えない頭の痛みは酷くなっている一方だ。
彼女は万亀の言葉を不要として過去の情報を得た。万亀の主観では無い、裸の過去を。それで何かがある、弱みを握られる。後者は無いと信じているのだが、前者は大いにあり得る。単純な話、家柄の事よりも現在の万亀と過去の万亀によって生じるキャラクター性の乖離が小っ恥ずかしい。それこそ、顔を覆い隠してしまいそうなくらい。
無い袖は振れない、などと言うが袖があっても触れない時もあるのだ。実際に自分を喰らった事で彼女が何を思ったのか、聞き出そうと思えば聞き出せる。だが、どう聞き出す手順を踏むかで足踏みをしている状態である。手ではなく足を踏む事態、万亀は月日が流れるたびに焦った。
今、その彼女がいる。幹部に対して粗暴な言葉はきっと好まれないし、何よりその幹部が在りし日の己を知っている。
「…あの、ちょっといいすか」
考えに考えた結果がこれである。背後から驚かせないように、やんわりと調子を和らげ、軽く手を振った。

太啓 (プロフ) [10月11日 9時] 1番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

お人形さん、とは。目をぱちくりさせつつ首を傾げてしまう。自分の事を美丈夫と呼べるほどには自信がなく、かといってまるで駄目と言うほどの卑屈さを持ち合わせていない万亀は、言葉が出ずにぱくぱくと口を開閉させ、やがて閉じた。
一体どんな勘違いをされてしまったのであろうか。嫌な汗が噴き出る気がする。それと同時に、矢張り悪徳の幹部ともなればこんなものなのだろう、なんて形のない納得を得た。
下っ端の顔が分からない、下っ端の名前を覚える気がない。これは偏見でしかないのだが、上に立つ人間というのはそういうものだ。それに関しては何も思わない。それ以上に、自分を見ても特筆することが無いのであれば、過去については大して思うところがない、もっと都合よく解釈をすれば、忘れてしまったという可能性が大いに有り得た。
「下っ端の蛇塚万亀です、どうも」
取り敢えず、名乗っておいた方が良いのだろうか。項を引っ掻きつつ、媚びはしないが出方を伺うような、なんとも奇妙な笑みを浮かべながら会釈をする。問題は笑みが上手いか下手か、ではない。相手に敬意を払えるか否か、である。
「…え?いや、そんな謝られる様な話をしに来たんじゃないんだけど!?」
暫しの沈黙。後の悲鳴にも似た訂正。一体どんな勘違いをして彼女は自分に謝ったのであろうか。弱みを握れるような狡猾な人間にでも見えたのであろうか。もしそうなのだとしたら、割と嬉しい。内心ふふふ…と気味の悪い位可笑しな笑みを零しつつ、両手をぶんぶん横に振りながら違うのだと繰り返す。嫌な汗がどっと出る、そもそも下っ端を相手に何故幹部が謝るのであろうか。肝が冷えるとはこんな気持ちなのだと、身に染みて感じたと同時に、胃の辺りが何やら痛み出す気がした。

太啓 (プロフ) [10月11日 20時] 2番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

「ふーん、そんなもんなのかな。まぁお兄さんがそう言うんだったら行ってみるか!」
住所を聞いてあまり乗り気ではなかったものの、信頼している人間の意見を聞くなりころっと考えを変えた。マスターには結構軽いところがあるのだった。
空中に手をかざし、血まみれの刃物を引き寄せる。それらは再び体に吸い込まれて回収された。
果たして、これから向かう場所はあたりかはずれか…。

結果を一言で言うならば、
「ビッミョー」
マスターはあたりを見回して、がっかりした声を上げる。
辺鄙な上に、かなり廃れており、解体されかけたままのビルや廃ビルがいくつも立ち並び、落書きがひどく目立った町だったからだ。
おそらく昔はたくさんの人が住んでいたのだろうが、能力者が現れてここを占拠してからは、地元の人間は誰も寄り付かなくなったのかもしれない。
「…まぁこれ以上ぼろくなったって誰も文句言わないし、ここの使い道はせいぜい鍛錬場くらいしかないな」
悪徳では毎回暴れ足りない者が多く、ここで好き勝手に戦わせてストレスを発散させるのもありだと考えているようだ。

女臣 ネ申 . (プロフ) [10月9日 10時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「そんなもの。まあ俺全然知らないから割と適当言っているんだけど」
悪びれる事もなくさらりと言い放つ。大して気にしないのは相手も此方も同じ事。特に気兼ねなく言ってしまうのは万亀のメンタルが強いのか、それとも気が違っているのか。

閑散としている。こんな寂れた場所だとは思ってもいなかったのだが、なんて思いつつ口を間抜けに開く。開いた口が塞がらないなんて事はいくらなんでもないだろう、なんて常々思っていたのだが現実はどうやらそういう訳でもないらしい。
「うーん、これはあまりにも手酷い」
趣味の悪い壁へ手をついて、額をもう片方の手で覆う。なんて微妙な場所なのだろうか。確かに損は無いが得も無いではないか。なんだか罪悪感すら湧き起こる始末。
「そ、それもそうだ…適当に好きかって使うとしよう」
鍛錬場にあてたとして、果たして人がこんな場所に来るのか素朴な疑問を覚えたが自分の能力を思い出しては理解する。あ、これ俺がアッシーくんにされるやつだ。理解が確信に変わった瞬間である。
「人数制限を掛けないと俺が持たん…!」
自分に移動を頼む人間の笑みが頭に浮かび、くらりと目眩すら覚えた。

太啓 (プロフ) [10月9日 10時] 7番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「いやはや、そういうことだから頼むよ、お兄さん」
彼の肩にぽんと手をおきながら、にこっと憎めない笑顔を向けた。
「ということで、思いっきり使えるように今からここを改造しちゃおう!」
言うやいなやマスターは半壊の建物に手をかける。出現させた刃物で目にも留まらの速さで一階の柱をきりおとしたので、建物は二階の重みに耐えられず、派手な音を立てて潰れてしまった。やがてがらくたの山と化してしまう。
そして次に、だんっと思いっきり地面を踏み、先ほど作り出した大量の瓦礫を浮かせた。コンクリートやガラスの破片、鉄筋、工事現場の壊れた道具などが空中でとどまる様は異様だった。
それらを一気に万亀の方に差し向ける。瓦礫は勢い良く指定された方向に向かっていく。
「片付けるついでに久しぶりに遊ばない?」
彼の目が妖しく光る。
遊ぶとはつまり命をかけるということ。

女臣 ネ申 . (プロフ) [10月11日 16時] 8番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「仕方ねえな…首領たってのお願いとありゃ無視するわけにもいかねえ」
がしがしと頭を掻きながら、むっすりと笑う。こういう時、困ればよいのか喜べば良いのか分からないあたりがまだまだ幼稚だ。
改造しちゃおう、とは。万亀は言うが早いか建造物の解体に勤しむ首領を止める権利など持ち合わせていないし、力もない。
ただ、先を少しだけ予測する程度の頭はある。気付いた時には既に指は組まれていた。
「臨」
先程までの気の抜けた声は鳴りを潜め、ただ水音の様な静を含んだ声を零すといつの間にか手は人差し指を立てている。
空中で留まるそれをただじっと、蛇の様に眺めつつ淡々と次の言葉を発していく。
「兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」
一字も決して抜かさぬよう、一度たりとも作法を誤らぬ様、着々と確実に手を動かしていく。
「ヲン・キリ・キャラ・ハラ・フタラン・バソツ・ソワカ・ヲン・バザラド・シャコク」
間一髪、移動が完了した。急いで場所を決めてしまった為に鉄骨の上というなんとも言えない有様になってしまったが、生きていればなんでも良い。額の汗を拭えば、ふうと一息。
「俺の能力がこういう前線での戦い向きではないと知っての御所望ですか?」
くっく、と喉の奥から好戦的な何かが這い出る感覚が生じた。

太啓 (プロフ) [10月11日 21時] 9番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

「知ってるよ〜、お兄さんのことなら、だいたいね」
瓦礫の攻撃を回避されたにもかかわらず、マスターは至って冷静だった。
「…ツメが甘いこともね」
なぜなら攻撃はまだ終わっていないから。
なんと時間差で、瓦礫の影に隠れていたマスターの刃物が矢の如く彼に襲いかかる。何十、何百という刃物が。
そして彼はさらに攻撃を繰り出す。
「…お兄さんって優しいんだね、オレが万亀くんだったら、瓦礫をそんな離れた場所には移動させず、相手の真上に移動させるのにな、」
先程の瓦礫を再び操り、せっかく万亀が移動させた場所から彼の頭上まで運び、
「こんな風にね」
と硬く握っていた拳をぱっと開いて、勢いよく落下させる。前と上からの挟み撃ちのような容赦ない猛攻に、果たして彼はどうするのかと思わず期待が膨らむ。

女臣 ネ申 . (プロフ) [10月12日 0時] 10番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「俺の方が年上なのに分際とか言われんの癪だな。ちょっとは遠慮しろよ餓鬼」
ぐっと顔を歪める。笑った時よりも目元の皴は一層深く刻まれる。
ぽん、ぽん、ぽん、と。球が跳ねる様な感覚であっちへこっちへと移動を繰り返す。化生の者と揶揄されればされるほど、万亀は堪らなく面白くなってしまう。だが、今は相手が相手なせいで全く面白くはない。
「嗚呼、そういえば失敗したなぁ。ついつい、考えるのを止めちまった」
ぽんと万亀が移動すれば、それを追うように彼もまた能力を使って追う。追いかけっこなぞ産まれてこの方した事も無かったのだが、こんなにも腹の居所が悪くなる遊びだとは思いもしなかった。
「地下に蛇、地上に万を生きる亀。俺って玄武なのかもな」
脈略も何もない言葉を攻撃代わりに彼へ投げつける。
「玄武は冬。故に玄冬という言葉が存在する。寒くない、寒くない」
ふふふと不敵に笑う。だが些か眠くなってきた。自分は本当に玄武なのかもしれない、なんて世迷い事を。
冷えてきたのは何も秋風のせいではない。心霊的なものでもない。完全に、能力のせいだ。霊なんてこの世に存在しない。故人の思いも、呪いも、感情も、この世には存在しないのだ。

太啓 (プロフ) [10月5日 22時] 4番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]

「どうせならかわいこちゃんに追いかけられたいもんだ」
名前に亀が入っているせいなのか、何なのか。寒くなるとどうにも眠たくなってしまう。だが、この情報は誰にも報告していないし、するつもりもない。
それ以上に、今こうして能力を使ってがむしゃらに行う追いかけっこの方が何よりも重要だ。こういうのは、普通ならば学生時代に済ませておくべき儀式な筈。それをこうして、与えられなかった数々の経験を追いかけるようにして行っているのは些か楽しくもあった。嫌い合っていながらも、何故だか楽しいと、そう感じてしまう。
けれど本当に、今は眠いのだ。相手のせいと言ってしまえばそれきりなのだが、兎に角眠くて依然よりも移動する感覚は短くなってしまう。より頭を使わず、より逃げられる場所。
「やりたい事を精一杯やってんだから仕方がない」
最終的に逃げた先は先程腰掛けていた柵の前だった。

太啓 (プロフ) [10月7日 12時] 5番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「全くですよ」
袖で口元を隠す。ついつい普段通りの言葉が出てしまって、しまったと言わんばかりに。
それと同時に勘付かれた事に対する苛立ちによって歪められた口を同じ理由で誤魔化して相手をちらり。柵へ頭を押し付けたが、どうにも力が入りすぎてがつん、なんて大袈裟な音が鳴ってしまった。
「さてね。体が寝たがっているのだろう。けど脳は眠たくないらしいから寝ない」
仲間と言えども一応の存在でしかない。仲間にすら秘密にしている事を一応の存在に教えるなんて以ての外。うとうとと、少しだけ船を漕ぎかけてしまうが反抗心を燃え上がらせて眉間へ皺を寄せた。

太啓 (プロフ) [10月7日 16時] 6番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

非常に、非常に恥ずかしい。素で間違えた二十九歳は身も世もなく暴れ回りたい衝動をどうにかこうにかその胸の内に押し留め、涼しい顔をして頷いた。
「知らなかったのか?」
なんて、可愛げも無く一石を投下。憎たらしく喉奥でうくくと笑ってやるが眠いものは眠い。恥も何もを捨てて五体投地を決め込みたいところだが、それが出来るほど子供では無い。
「無茶なんてしていないし余計なお世話なんだが」
やや早口になりながらも一息にそう言ってしまう。殆ど図星で、どうにも格好が付かないのを誤魔化す為なのだが、そのせいで余計に格好が付かないのは言うまでもない。
「…ん、なんだこれ。…嗚呼、知ってる、巷で流行りの飲める泥水」
一体いつこんなものを手に入れたのか、なんて能力者に聞くだけ野暮である。眠くて眠くて、霞む視界の中受け取った物の文字を読み取ると知識だけの存在でしかない物が手元にあるこの奇妙な気持ちになんとも言えない笑みが零れた。

太啓 (プロフ) [10月8日 9時] 7番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

「んッなに笑うかよ普通!」
かっと燃えるように顔を赤らめた。この歳でそんな下らない事で笑われるのは流石に羞恥を覚えるもの。持っていない方の手でぐっと拳を握りつつ袖を振ればふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。今の人間と言うのはどうにも西洋かぶれが多い気が…なんて思っていたが彼は西洋人。かぶれ、ではなく正真正銘なのである。
「うるせ。眠くて頭が回らねえんだよ…」
これでは言い訳だ。座り込んだ彼を横目に恐る恐る口をつければ、一口招いた。にっがぁ…と本来ならば舌を出して抗議をするところなのだが、疲れていたし、案外すんなり飲めてしまうし。言葉ではなく、ほうと息をついた。
色々、思うところはあるが自分が口にしたら全てが終わる様な気がして、今の今まで万亀は言えない。否、いつまでも言う気がない。ただこのままでは彼もしんどいだろうな、なんて他人ごとのように思っていた。
「逢引をしたい気持ちは分からんでもないが程々にな」
素が出た彼の事など全く気に止めることも無く、苦笑混じりに顔を綻ばせる。冷え切った考えをしている万亀ではあるが、見捨てたくないなと薄ぼんやり思うのである。

太啓 (プロフ) [10月9日 7時] 8番目の返信 スマホ [違反報告・ブロック]

・参加の場合は、Vices and virtues【案内】の参加希望に「参加希望」の書き込みをお願いします
・3L可能ですが住み分けをお願いします
・過度な暴力表現などはご遠慮ください
・コミュのルールは絶対遵守でお願いします
・何か質問などあれば「質問」までどうぞ

璃子 (プロフ) [10月2日 18時] 2番目の返信 PCから [違反報告・ブロック]
(C) COMMU