Vices and virtues

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結梨@復活なう (プロフ) [2019年10月12日 22時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

私、クロエ・ヴァレンチノは意気揚々と街を歩いていた。なぜ機嫌がいいのか、それは休日だからである。
家から出ない頭領の世話を焼くわけでもなく、悪徳と戦うわけでもなく、書類仕事をするわけでもなく、なにもないのだ。久方ぶりの休日をとことん楽しんでやろうとスイーツビュッフェやディナーの予約をしていたのだ。
午前中はショッピング、正午は予約している料亭で昼食、午後は映画鑑賞と眺めのいいレストランでディナー。
しかしこれはすべて自分一人で行くわけではなく、ある友人を呼んでいる。
待ち合わせ場所には人が立っていた。濡鳥色に青のインナーカラーをいれているショートヘアー。メンズの服に今日はコートを着ていた。恐らく…というか絶対友人である御縁律ことりっちゃんだろう。
気づかれないようにこっそり後ろから忍びより、無防備な首に手を伸ばす。
「おはよう、りっちゃん。今日も寒いね。」
女子らしからぬ声を出して振り返った顔は、赤く染まっていた。恐らく長い間この寒い外で待っていたのだろう。

結梨@復活なう (プロフ) [2019年10月12日 22時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

「…!ありがとう!りっちゃん!あと、遅れてごめんね。」
差し出されたりっちゃんなりの気遣いを受けとり、それを見ると「~世界が選んだブレンド~ジョージィ」と書かれていた。それは、自分が苦手とする、コーヒーだった。
これは嫌がらせなのか、いや、な訳がない。無愛想だけれど心優しい幼馴染みがそんなことするはずがない、と。きっと少し抜けている幼馴染みは誤って買ったのだろうと。私はその気遣いを無為にするほど腐った人間ではないと自覚している。
ええい!ままよ!と缶を開けて口にする。口に広がる苦味は私が苦手なものだった。だけれどもそれが親友から渡されたものだと思うと、少し、ほんの少しだけ、甘いような気がする。
よっしゃ!勝った!第二部、完!コーヒーをのみ終わり、ぜぇ、ぜぇと息を切らしていた。強敵だった…できるならもう戦いたくはない…ふと、缶を渡されるときに触れた手が冷たかったことを思い出す。
「ここ…寒い、から。中に移動しよっか。」
返事を聞く前に冷たくなっている手を握り、ショッピングモールの中へはいった。飲み終わった缶コーヒーは備え付けのゴミ箱にいれておいた。
まずはりっちゃんに似合いそうな可愛い服を選んであげよう。それからりっちゃんが好きな本屋をみて、あぁここには酒屋も入っていたな。そこでりっちゃんにオススメのお酒を選んでもらおう。そしてディナーが終わったあとにりっちゃんのお家でつまみを摘まみながら話そう。
期待に胸をワクワクさせながら、ショッピングモールの扉を潜った。

結梨@復活なう (プロフ) [2019年10月12日 23時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]
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