「……もう、昔のことだよ」
少し早回しに記憶を見ていく。
小部屋に呼び出されたこと。鞭の音とその恐怖。近くに入れられていた人々が入れ替わり立ち替わり、また知らない人になっている寂しさ。
また呼び出され、気持ち悪くなってくる。
白濁色すら忌々しくなる。
生臭さが鼻につく。
男の人間をす気になれなくなる。
いなくなる人々に寂しさを覚える。
小部屋で今度は無理矢理抱かれる。
気持ち悪くなって吐き戻すと、今度は一食抜かれた。
優しかった人が死んでしまった。海知はそれに耐えられなくて、盗賊の一人に自分の体を引き換えに弔いを済ませる。