音楽の天使の卵
メッセージ一覧
「ありがとう、アビーちゃんに伝えておくよ」
アビーちゃんの可愛さを語りそうになるのをグッと堪え、お礼を言った。確かにラグドールの特徴でもあるあの青い目は、飼い主の僕もつい見惚れてしまう。
「気難しいけど優しい子だから、見かけたらその時はよろしくね」
それだけ言って再びお茶を飲みつつ、彼の反応を見守る。
控えめながら、本当に美味しいと思ってくれたようだ。
「お口に合ったようで何よりだよ」
ニコッと笑いかけ、もう一枚つまむ。シンプルなお菓子だからこそ、美味しいものは美味しいと改めて感じた。
「あぁ。そのまま食べても美味しいけど、紅茶やシャンパンに入れたり、お菓子のデコレーションに使うことがほとんどかな。ほんのりとスミレの香りがするから、匂いも楽しめるんだよ。金平糖の親戚みたいなものかな?」
仕事の合間の糖分補給や少し華やかなものを楽しみたい時は、スミレの砂糖漬けをはじめエディブルフラワーにお世話になってる気がする。
「分かった。後で言っておくから、楽しんで見にしててね」
ふふっと口角を上げると、紅茶に再び口をつけた。
「…夕食まで時間があるんだけど、何かしたいことはあるかい?」
カップを静かにソーサーに置きながら、穏やかな声で尋ねた。
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信 (プロフ) [4月24日 2時] 22番目の返信
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やっぱり彼はアビーのことをすごく愛してるみたいだ。紳士的だと思ってたけど、少し可愛いところはあるのかもしれない。
「もちろんですよ!あ…見かけた時は撫でても、いいですか…?」
テンションが上がってしまったので慌てて声色を戻す。
動物はすごく可愛い。人みたいな怖さが何もないから安心もできる。あと猫派だ。大人しくて噛みつかなそうだから。
ペットを飼うにはお金が足りないからできない。
「へぇ、金平糖…甘くてカリカリしてるのかな…」
やっぱりスミレの香りがするんだな。味はどうだろう?砂糖漬けだから甘いのかな?食感は?しっとりしてるのかな?カリカリしてるのかな?楽しみだな。
ここにいると勉強できることが多くなりそう。
次第に話の内容が変わっていき、夕食までにしたいことは何かと聞かれた。
「えっと、暇なら…」
やってみたいこと、やってほしいことを考えてみる。
そんなことはすぐ浮かんだけど、少しわがままになっちゃう。
嫌われないか心配だな。
「ピアノフォルテさんの演奏、簡単なのでいいので…聞かせてください」
大スターの生演奏を聞かないなんてもったいない。ここから何か勉強になるかもしれないし、将来自慢できるかも。
後者みたいな馬鹿げたことはしないつもりだけど。
海月 (プロフ) [4月25日 0時] 23番目の返信
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声が若干上擦ってたが、それだけ彼も猫好きということだろう。自然と穏やかな顔つきになれる。
「構わないよ。匂いを覚えてもらって頭をゆっくり撫でれば大丈夫だと思う」
気位の高い大人しい子だけど、いきなり噛みついたりはしないはず。人見知りもしないから、すぐに慣れてくれそう。
あれこれいろんなことを談笑しつつ、夕食までに何がしたいかと例のことを尋ねると、僕の演奏を聴いてみたいと返された。簡単なものでいい、と言うところに彼の謙虚さを感じる。
「構わないよ、そのうち嫌でも聴くことになるからね。僕の演奏がどんなものか知っておいた方が君も楽だろうし」
快く引き受け、残りのお茶を飲みきった。連れてきたのはこっちなのに、勉強熱心な子だ。手についた粉を拭い、彼が飲み終えるのを見届けると立ち上がった。
「それじゃあ早速行こうか。そのまま置いといて構わないよ」
部屋の外にいる使用人に「リグノールが出たら下げてくれ」とお願いし、彼と扉の外に出た。廊下の窓の外は、いつの間に夕方に近い色に染まっていた。そんなに長話したつもりはなかったんだけどな…時間を忘れるほど誰かと話すのが楽しいなんて、最後に思えたのはいつだっけ…
「おいで。離れないようにね」
振り返って貴方に声をかけると、静かに歩き出す。衣擦れの音を微かに出す程度で、幽霊か何かかと思ってしまうほど足音が聞こえない。
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信 (プロフ) [4月25日 5時] 24番目の返信
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許可ももらえたし、見つけたら撫でてあげよう。
匂いを覚えてもらうのはちょっと嫌だけどしょうがないよね。覚えてもらったほうが将来撫でやすくなるかもしれない。
ピアノを弾いてほしい言ったら快く頷いてくれて、今からアポロンのピアノを聞くことになった。
一体どんな演奏なんだろう。もちろん教わったプロの先生となんて比べものにすらならないんだろうな。あらかじめネットにある動画でも見ておけばよかったかな。でも生演奏を聞いたときの感動を味わいから見なくてよかった。
彼がお茶を飲み終えたのでつられるように飲み干した。ほんとはもうちょっとじっくり飲みたかったけど、お茶より演奏のほうが優先度は高い。
「ありがとうございます」
後で、とか言われると思ってた。
召使いが部屋の外に待機してる。俺が部屋を出ると中に入って、カップやお菓子の袋とかを片付け始めた。
やっぱりお金持ちの人は自分で片付けたりしないのかな。
「あ、はい」
そんなことを考えていたら離れないようにと言われたので歩く速度をあげる。
ここで迷ったら召使いに話しかけないといけない。絶対嫌だ。
彼の歩くときの音は耳をすませば聞こえる程度で、まるで風や幽霊のようだった。
海月 (プロフ) [4月29日 0時] 25番目の返信
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振り返ることなく、背後から聞こえる足音で速度や距離を測りながら調節して歩く。万能ではないけど、音楽家である以上、人より耳は良い方だと思う。
いくつもの客室を通り過ぎ、大きな扉の前で立ち止まる。ドアを開けて中に入ると、広々とした音楽室が姿を現した。光沢感のあるグランドピアノと年季が入ってるが手入れの行き届いたヴァイオリン、これまた高級そうなソファなどが置かれていた。過ごす時間がかなり長い分、仕掛けを含めいろんな所に僕のこだわりを詰めている。
「ここがこの屋敷の音楽室…僕ら音楽家にとっての聖域だよ」
後ろを振り返り、ふふっと笑みをこぼす。相変わらず考えは読めないが、どこか柔らかいものがある笑い方だ。
「歌の練習がしたい時なんかは勝手に使ってくれて構わないよ。譜面台はそこにあるし、Wi-Fiも飛んでるからね」
どこに何があるか軽く説明すると、早速ピアノ演奏を披露しようと椅子に座る。目を閉じ、静かに意識を切り替えながら鍵盤にそっと指を置く。同じ場所にいるはずなのに、真っ暗な場所で自分だけスポットライトが浴びせられていて、その中でも目の前のピアノと自分以外何も存在していないような錯覚を覚えた。
周囲の音が聞こえなくなった頃に息を整えて目を開くと、慣れた様子で指を動かし始める。ベートーヴェンの『月光』だ。先ほどまでお上品な青年だったムジチスタは、明鏡止水の境地で音楽を奏でるピアニストへと変貌していた。
3人の隊長と座長の剣士@自由浮上自由返信 (プロフ) [5月8日 2時] 26番目の返信
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