百合SSを集めたい
おりゆり 3月25日 19時 / 3月23日 18時 /下手くそ過ぎて… 3月23日 3時 /練習用に書いた… 3月22日 13時 /下手くそで短く… 3月19日 23時 /オリゆり 載せ… 3月18日 17時 /バレンタインに… 3月16日 21時 /ネギトロ 3月16日 19時 /こちら例 3月13日 21時 /作った人です 3月13日 21時
メッセージ一覧
ふたりっきりの階段
*
彼女と私、二人だけの足音が響く。
校内に三つある階段のうち、なぜかあまり使われない階段。
私たちはいつも、この階段を好んで利用していた。
「今日も疲れたね」
「ほんとほんと。特に今日はさぁ——」
何でもない、部活終わりの世間話。
それが私にとってどれだけ幸福な時間かなんて、彼女にはきっと分かりっこない。
二人っきりで、邪魔されたくなくて、この階段を使いたいって言った私の気持ちも。
四階にある音楽室から一階に向かう。
三階との踊り場を見下ろすと、その先は薄暗い。
私たちが構わず足を踏み出すと、まるで歓迎するかのように古くさい蛍光灯が白く光った。
ここは他の階段からも離れていて、本当に私たちの音しかしない。だからこそ、私は彼女を独占していることに優越感を強く覚える。
「ねぇ、」
「なに?」
「はぐ、したいな」
「……うん、もちろん」
こうやって可愛い顔をしてくれるのも、私にだけだったらいいのに。
そんなことを考えながら、私は彼女を強く抱きしめる。
彼女の右肩に顔を埋めると、息が苦しくなるほどの甘い匂いが肺を満たしていく。
私の大好きな時間。
私が彼女を独り占めできる時間。
永遠とも思えるほどの幸せ。
「これ、いつまでやるの?」
「あはは、そろそろ帰ろっか」
名残惜しさを下手くそな笑顔で塗りつぶして、私は彼女の手を取る。
二人で、二人っきりで、また階段を下りていく。
やっぱり響くのは、私たちの音だけだ。


「もうすぐ、春だよ。」
隣に座っている、はなみんこと花御。
花御は春が大好きでーー春の訪れを感じると、私にすぐ教えてくれる。
私は春が好きだ。暖かいし、花も綺麗だし。
でも、今年の春は…特別に嫌いだ。
今は…啓蟄、まあ三月五日。卒業まで、あと一カ月も無い。
今の内容から分かるように、花御と私は今年で卒業してしまう。
花御は、小さい頃から親友で。
初めての友達で。
もう、片思いしてしまう位好きで。
ずっと一緒かと思ってた。
でも。この春が終わったら、花御は海外へ行ってしまう。
それは、私が告白するタイミングが無くなってしまうのを意味する。
今しか無いんだ。
付き合い始めたとしても、残り一カ月無いんだから。
「御空ちゃん。なあに、暗い顔して、御空ちゃんに合わないよ?」
私ーー御空に対する花御は、明るくて、本当お花みたいで。
私なんかと、合うのだろうか。
でも、ここで別れれば。
一生後悔する。気がするんじゃなくて。ほぼ確信してるんだ。
「花御。」
勇気を出して話しかける。
緊張したのか声が震えたけど…。
「…、御空ちゃん? どうしたの?」
そのいつもと違う声に気付いたのか、花御は心配そうに私を覗き込む。
答えがどうであれ。私は私だから。
「……大好きです、付き合って下さい。」


鳴り響いたチャイムの音を皮切りに、クラスメイトの騒ぎ声が目立つようになった。授業中は酷い睡魔が襲ったのにもかかわらず休み時間になると睡魔から一気に解放されるのは何故だろう。なんてしょうもない疑問が私の頭の中に浮かび、短いため息とともに消えて行く。
次の授業の準備をしている私にパタパタと駆け寄ってくる、一人の少女。そいつは、私の友人だった子だ。
彼女を横目に作業を進めていると後ろから柔い感覚、時間が経つにつれ感じる温さ。きっと彼女が私にバックハグでもしているのだろう。せめて一言かけてからぎゅっとして欲しいと思うけれど、それよりも耳元にかかる彼女の呼吸音が私の思考を乱してしょうがない。頭の中から心臓の音が聞こえる。両の手がセーラー服を掠るたびに、私の意識はそちらに集中してしまってかなり鬱陶しい。はやくはやく終わってくれどっか行ってくれ触らないでくれと、どこか他人行儀な願いばかりが頭に浮かぶ。じわりと滲んだ汗が背筋を冷やす、後ろにいるこの女は、酷く熱を帯びた声色で私に言うのだ。
「君のことだぁいすき」
いつも心地よいソプラノが、焦げたキャラメルみたいにほろ苦く溶けていた。
滑稽ともいえるこの姿をクラスメイトは気にもしないのだろう。同性同士だから仲の良いからと、誰も私達に気づいてくれない。秘め事な恋愛に高揚感を覚えながら、気づかれたら軽蔑されるのかななんて被害妄想に身体を震わせる。いやはや恋愛とは末恐ろしい、現に今こんなに心臓の音がうるさいのだ。ぐちゃぐちゃの思考回路を纏めることも出来ず、一つ分かるのは彼女がずっと私を惑わせている、ということだけ。彼女で満たされているのは素晴らしいことだけど、それでもやっぱり離れて欲しかった。なんでかって心臓の音が彼女に繋がってしまったら気恥ずかしいから。一番最初の感情は、嬉しいだけど。
久しぶりに恋をした自分がまさかこんなに臆病者だとは思わなかった。
「……わたしも」
上手く発音できたか不安だ。それでも、何とか声に乗せられた。
ちゃんと聞こえたらしく返事はハグで返ってきた。首が絞まるくらい強く強く抱きしめられて、思わず声をあげてしまう。当たり前だけど可愛らしい声なんかでは断じてなくて、蛙が絞められたみたいな低くて汚い声だ。それを聞いてにやにやしてるのが顔を見なくても分かる。心の底から悪趣味だと思うけれど口には出さない、また絞められたら嫌だから。
そんなところも愛おしいと感じる私は病気だと思う。でもしょうがない、恋は盲目なのだし。
ふと窓を見ると外は晴天。こんな私たちを祝福せず、ただいつも通り青に雲が浮かんでいた。


私は今日、好きな人と結婚式を挙げる
と言っても、やっぱり受け入れられるのが難しく、人はほとんど呼んでない
「ねぇ、似合ってる?」
私がうなずくと嬉しそうに顔を輝かせる。
「あなたに、そう言ってもらいたかった。
ずっと、ずっとウエディングドレスを褒めてもらいたかったの!」
「あなたと一緒にウエディングドレスを来たかった!」
そう言って世界一の笑顔を見せる
あなたに会って、一目惚れして、ずっと片思いして、ようやく実った恋
泣きそうになる私を見て、彼女は言う。
「健やかなるときも、病めるときも、
喜びのときも、悲しみのときも、
富めるときも、貧しいときも、」
「私を愛して、敬い、慰め合い、共に助け合い、
命ある限り真心を尽くすこと、誓ってくれる?」
なにそれ、と私は笑いながらいう。当たり前じゃん。
今までもこれからも絶対に。
「もちろん、誓います」


私には好きな人がいる。
それは、今、私の隣で歩いている子。
「ん?どうかした?」
だなんて私に笑いかけるあなたは私と同じ_女の子だ。
みんな、みんな女の子は男の子を好きになるのが“普通”だと言うけど、私はそうは思わない。
“普通”だなんて人それぞれ。そうでしょ?
あとね、私があなたのことを好きなのはあなただからだよ。
あなたが女の子でも男の子でも好きになってた。
性別なんて関係ない。
・
・
・
「好きだよ」
思わず口からこぼれた言葉。
伝えるつもりはなかったけれど、この際全て打ち明けよう。
そう決意した。
「好きだよって、友達なんだから当たり前でしょ?私も、もちろんす_」
「そうじゃなくて!…私は恋愛的に好きなの、大好きなの!」
「え…」
私がそう伝えるとあなたはひどく困惑している。
そりゃそうだよね。
ずっと友達だと思ってた子に告白されたんだもん。
迷惑、だったよね。
「ごめんね!やっぱなんでも_」
その瞬間、あなたは私の言葉を遮ってこう言った。
「私も。私も好きだよ!あなたのことが大好き!」
「え?」
さっきとは逆で、今度は私が混乱している。
そんなときあなたは優しく微笑み、
「この“好き”は私だけだと思ってた。
一緒だったんだね。」
私と、あなたの好きが、同じ?
両思いってこと?
それを理解した瞬間顔に熱が集まった。
多分今、私の顔はリンゴみたいに真っ赤なんだと思う。
こんなに幸せなことがあるなんて思ってもみなかった。
「これからもよろしくね」
「もちろん!」
私達を祝うかのように心地よく暖かい風がそよいだ。


「今年こそは!!!」
と、キッチンで意気込むアリス。
そう言う今日はバレンタインだ。
渡す相手は美食国家のフランスの化身
フランソワ。
相手は同じ職場の女性だが友チョコと言う訳では無い。
彼女を見てると、何か...あれだ。
胸がドキドキすると言うか、何というか...まぁ、いいや!!
何故こう意気込むのか、それは....
アリスは大の料理が苦手だからだ。
去年、試しに作ったチョコを、元同居人のエミリーやメグに食べてもらっても、「美味しい。」又は「いつも通り鉄の味。」との声しか聞けなかった。
今日も何回か作っても全然成功しなかった。
「何でこうなるのよぉ〜...」
消え入るような声でアリスはそう言った。
「あら?変な匂いがすると思ったら..慣れないお菓子作り?アリス。」
「うっさいわね。フランソワ。」
アリスの渡す相手がやってきてしまった。
「誰かに渡すの?」
「ッ!?」
「その様子だと渡すようね、これを渡される相手の気がしれるわ。
仕方ない。私が手伝ってあげるわ!」
「は、はぁ!?」
<<数時間後>>
「ほら、出来た」
「わぁ、綺麗ね。私が作った奴は上手く行かなかったのに...」
アリスがしょぼくれていると...
「アリス、こういうのは結果より努力よ。努力した分の想いが詰まってるの。」
何かいい事言われた気がして少し悔しい。
「さ、後片付けはやって置くから渡してきなさい。」
フランソワにそう押されてしまった。
アリスは走ってドアの方へ向かう。
が少し前の所で止まった。
「どうしたの?」
使った調理器具片手にフランソワがそう聞いた。
「私の渡す相手は...貴女なのよ!!!!」
そうして、綺麗にラッピングされたチョコをフランソワへ叩きつけた。
恥ずかしくなったのかアリスは直ぐ様部屋を出た。
「(私のバカ、バカアリス!)」
/////
「......アリスらしくないわね」
顔をさすりながらチョコを見た。
形崩れたチョコを一つ食べると、
少し苦いが、何処か甘酸っぱい味もした。
【Fin】


***
「ねぇルカ、ボクが髪切ろうかなって言ったらどうする?」
カタリ、とソーサーが音を立てる。
動揺したように、ルカが振り返った。
その視線の先では、綺麗な長いツインテールの右の方をブラシで撫でながら、ミクが窺うようにルカを上目で見つめていた。
「……」
ルカは飲んでいた紅茶を飲み干すとティーカップをテーブルに置き、ただ何も言わずにミクのもとへ歩み寄る。
「リンとかメイコ姉みたいにさ、短くするのもいいかなって…」
「そう。良いんじゃないかしら」
言葉とは裏腹に、ルカの表情は冴えない。
右手で左耳に髪を掛けながら、ルカはもう一度言う。
「いいんじゃない?似合うと思うわよ」
その返答になぜかむくれたミクは、ブラシの手を止める。
かと思えば、今度は左の髪を撫でつけ始めた。
しかしその手つきは先ほどとは打って変わって乱雑なものであった。
「…………ルカのばか」
「どうして?似合うって言ってるじゃない」
「そっ、それは嬉しいけど…でも違うの!ばか!!」
「馬鹿って言われても……」
「乙女心は複雑なの!」
「失礼ね、私だって一応乙女なのよ!?」
平行線な二人の会話は、この後の日課である散歩によって終わりを告げた。


恋愛は男と女のものだなんて誰が決めたんだろう。
私にとってのそれは、同じ女の子が相手だったから。ずっとそうだったから、不思議で堪らなかった。
小学生の時くらいからだろうか。
薄々と自分が『普通』じゃないんだってことに気付いた。
少女漫画の中でも、恋愛小説の世界でも、周りの同級生たちも。
みんなみんな男女で恋に落ちるから。
だからきっと、私は異端なんだと。そう思い続けていた。
だけど。
「私は好きだよ」
大人になる前に出会えるなんて思わなかった。
学校という狭くて小さな箱庭で、私と同じ『普通じゃない』女の子に。
「なんか懐かしいね」
「そうだね。うちらももう付き合って五年だよ?」
「うん。……ありがとう」
薬指に光る石は、特別な色。
世の中に『普通』なんて存在しないのかもしれない……そう思わせてくれる、不思議な石。
お揃いの指輪を青空にかざして、私は大好きな彼女と笑った。

