お前らの妄想置いてけ
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(なんか監の想いが知られちゃってみたいなシーン)
ずっと、ずっと信じたくなかった。ずっと気付かない振りをしていたんだ。この想いは、実るわけがない。だって、確証がない。いや、そんな説明しなければいけないようなことを言う必要はない。私は異世界人で彼はこのワンダーランドの住民で。それだけで、この想いを実らせないには十分な理由にできる。周りだって、あぁそうだった残念だねと言えるだろう。納得するだろう。いや、私が納得しない。納得できたらどれだけ幸福だっただろうか。ずっと隠し通してきた好きという想いを押し潰してぐちゃぐちゃにして、認めないようにできればどれだけ楽になれただろう。しかし、後の祭り。私はこの想いを認めてしまったし、彼にも見つかってしまったのだ。
「……あ、……」
何かを喋ろうとしたが、口から出たのは1つだけ。唇が震え、鼓動が速くなり始める。これは恋の病などではない。段々と、涙が溢れてきた。昔から自分の内面を伝えることが苦手だった。だから自分の想いを伝えたり、自分の考えを誰かに見せるたび涙が溢れ呼吸ができなくなる。それは、今も変わらない。あぁほら、やはりまた呼吸が浅くなる。はぁ、はぁと口を押さえながら苦しそうな声を出す私を彼は凝視している。
「……ごめん、っ……」
ただ一言、そう伝えたきりもう何も言えられなくなった。代わりのように、ストッパーが効かなくなったように溢れる涙の量が増える。止めなくちゃ、思うたびにどんどんと増えていく。

