えすえすおきば
メッセージ一覧
いけるとこまで
フィ晶♀
※BDカドストネタちょびっと含む
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ふと、目が覚めた。
寝坊してしまうことだって少なくない私だ。それでも、今日は不思議と起きられた。
なぜか、と考えるよりも先に、視線が机の上に置かれたキャンドルに吸いつけられる。
ああそうか。今日は誕生日なんだ。
そう、どこか他人事のように、寝ぼけた頭で考える。
ぼーっとしたまま窓辺に歩いていく。淡い色のカーテンを引き開けて、眩しい朝日をいっぱいに浴びた。闇に慣れた目には少し刺激が強い。
ぱちぱちと数度瞬きをするうちに、爽やかな気分が胸中を吹き抜けていく。朝だなあ、とどうでもいいことを思う。
気分の良い、清々しい天気だった。私は窓の鍵を徐に開き、少しだけ冷たい朝の空気を肺に吸い込んだ。
どこかで囀る小鳥の声を聴きながら、私は軽くカーテンを閉める。そして寝巻きから普段着に着替え——あ、そういえば、昨日クロエが服を繕ってくれたんだった。『賢者様、明日お誕生日でしょ？』って、あの素敵な笑顔で。
それを思い出した私は、いそいそとクローゼットを開いてワンピースを取り出した。
新しい服というのは、いつだってワクワクするし嬉しい。
姿見の前で、学生時代そうしたようにくるりと回ってみる。ふんわりと舞うスカートは薄い青色で、どこか紫陽花を思わせた。
いつもより少しだけ早い時間。
私は窓を閉めて、食堂に向かった。
箸レーゼ (プロフ) [2023年6月9日 19時] 1番目の返信
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