夜を支配する薔薇【本編】
メッセージ一覧
牧佳 (プロフ) [2019年3月16日 20時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]いい遊び相手はいないだろうか、と考えながらノロノロと歩く。とてつもなく暇だったのだ。
「…暇だ…」
血で作った蝶々の形をしたものを手の上でひらひらと遊ばせながら、活きのいいおもちゃを探していた
 ̄ ̄
誰でもどうぞ
鈴美 (プロフ) [2019年3月13日 1時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]くんくんと鼻をひくつかせてみても、土の臭いばかりで周囲の情報などはわからない。それでも同じ穴蔵のような景色ばかりか続くこの場所では、なにもしないよりはましだった。
「こんばん……あっ、いけないいけない、静かにしてないといけないんでした……しーっ、ですね……」
少女は、吸血鬼の住処へと潜り込んだ反逆者の一人だった。年相応のあどけなさと怯えを纏い、奥へ奥へと歩みを進めていく。
ラズ (プロフ) [2019年3月19日 21時] 29番目の返信 [違反報告・ブロック]止まった血、薄くなった臭い、消えた傷跡、欠けた刀。彼女は楽しそうに笑った。全てが予想通りだ。掌を転がすように想像通りに動いた。
「なぁ、小娘。本当に取り込めたのか?」
彼女はスゥッと刀の刃を摘まんで、撫でる。切っ先まで撫できると、そこに刃毀れはない。
実は、彼女は知っているのだ。春告鳥の名前や容姿はおろか、その能力、性格に至るまで全て。彼女は教えてもらっている。他でもない、春告鳥と親しかった人間から。
だからこそ、彼女はわざと勝ち誇ったような態度をとり続け、意味深な言動をし、最後に実力行使に出た。所詮、分解という過程にはいくつものプロセスが存在する。能力は特別といえども無敵ではない。そうなれば、純粋な能力内の性質が早さ、正確さを決める。つまりは彼女の方が早さとしては上なのだ。そして彼女は日光で幻をつくって刃毀れを装った。
「お前が取り込んだのはただの日光だ。それは私の力。いくらとりこんだとしても、自由に消せる」
パチンという乾いた音が室内に響いた。日光が自分の体に戻ってくるのを確認し、左手を大きく扉の方に振る。
微かに、吸血鬼数名の呻き声が聞こえた。
鈴美 (プロフ) [2019年3月21日 1時] 30番目の返信 [違反報告・ブロック]能力。反逆者の得た特殊なそれは、極端に言ってしまえば自分にのみに干渉する「分解」では不可能だ。取り込むことは、鈴木には出来ない。「分解」しか彼女はできない。
ごろりと、仰向けになる。相変わらず荒い呼吸で胸を上下させたままだ。
「分解」を経た傷はとうに治っている。しかし、この様子からみるに、痛みまでは消えていないのかもしれない
。
鈴木はゆっくりと患部のあった足を抱えるように、触れ、それで、
「あああああああああああっ、あ、あ、ああっ、あああああああああっ!!!!!!!!!!」
叫んだ。
回復があまりにも速いそれであったから、痛みを認識するのが遅れたのだろうか。今更それに反応してのたうち回る。
先程閉められた扉の勢いで脆くなったのか、鈴木のそんな、言ってしまえば小さな行いで壁や天井の破片はぱらぱらと降り落ちる。
ラズ (プロフ) [2019年3月21日 7時] 31番目の返信 [違反報告・ブロック]叫び、のたうち回る春告鳥を、彼女は冷めた目で見ていた。
そして、思う。
この子どもはまだ能力を充分に使い熟すことができないのだと。
彼女は光線を出さぬよう上手く手に日光を纏わせ、先程まで傷口のあった場所にあてる。
するとどうだろうか。みるみるうちにその叫び声は小さくなり。必死に藻搔いていたその動きは止まる。
「痛み、引いたか?」
乱れた髪と涙を黒い手袋で拭ってあげるまで、彼女の目はずっと冷めていた。
そして、首根っこをつかみ上げて持ち上げると、軽々とそのまま暖炉の前にある長椅子に放る。
そのまま、血で汚れた絨毯に再度日光をあてると、その血は瞬く間に消えた。
「お前、能力というものを教わったこと、ないだろ?」
鈴美 (プロフ) [2019年3月21日 11時] 32番目の返信 [違反報告・ブロック]憔悴しきったような表情。長椅子に預けた身はぐったりとしている。体を休める必要があるのだろう。
「痛いのなんて、『分解』と一緒に、無くなっちゃうので、無いです」
鈴木が告げて、目の前の彼女の右肩にナイフが突き刺さった。
眠るように瞼を閉ざした鈴木は、「『分解』は、あの人が教えてくれました」と呟く。
頭上から、落ちて来たそれは、銀よりも鈍く、鈍く煌めいているそれは、この部屋の上方にある部屋の床が崩れた時に、鈴木が紛失したものだ。
件の崩落後それは、どこかにぶつかり合った末にあらゆる隙間を縫って、偶然にもこの部屋の天井の梁へと刺さっていた。
それを鈴木は、床に寝転がった際に確認した。だからのたうち回った。脆くなった部屋で少しずつ刃渡りは梁から抜けて、漸く、彼女の肩へと落下した。
「人間だから、なんでって思ってたんです。吸血鬼は『ブーッ』だけど、人間はそうじゃないって。今ずっと、たくさん考えました。それで、わかっちゃいました。あんたは俺を、『ブーッ』って思ったんですね。だから俺を攻撃したり、邪魔したりする。人間同士でも、そう思うなんて、知らなかったです」
人間か吸血鬼か、じゃあないんですね。呟いて鈴木は目を開く。ぼうっとした瞳は虚空を見つめていた。
ラズ (プロフ) [2019年3月21日 12時] 33番目の返信 [違反報告・ブロック]大して痛がる様子も、驚く様子もない。生きてきた環境からなのか五感は動物並みに良いのだ。気付いていた上で、刺さってもいいと判断したから動かなかった。
彼女はまるで服に袖を通すかのようにゆっくり肩のナイフを抜く。
血は出ていない。傷口もない。
抜くと同時に能力で消したからだ。
彼女はナイフを暫く黙って見つめてから、力の応用でナイフを消した。
可笑しくないか…?
既に空になった手を握り、開く。
この部屋は確かに古い。何百年も使っていない部屋だ。所々ガタがきている。だが、それでも地下だ。地上に出ていない限りある程度の強度は約束されている。嘗ての部屋の使い方的にも、だ。
それでも、ナイフが天井にあるなど、可笑しすぎる。
あの部屋とこの部屋は、全くもって違う位置にある。
あの部屋は西だ。そしてここは東。
また、地下と地上の部屋の間に厚い厚い石畳が敷かれている。
どう考えてもあの草臥れたボロナイフが落ちてくるなど有り得ない。
「なぁ、生意気素人馬鹿娘。地上でうだうだ歩き回っている間、貴様何か見たか?」
どうも先程の叫び声で耳の調子が悪い。蝙蝠かと疑いたくなるような周波数の声だった。
手を大きく振って、再度この部屋を防御する。
日光とは実に偉大。ブラックホールすら消滅させるのは難しいと云われる太陽から出たものなのだから当然と云えば当然だ。
だが、部屋の作り自体はそろそろ直した方がいいかもしれない。
生まれた時からここに住んでいるのだ。きっと死ぬまでここに住むだろう。壊れて貰っては困る。
彼女は、暢気に椅子にいる春告鳥を見た。そして先程の言動を思い出す。
「お前の言動、無駄がある。ありすぎる。だから、兄姉は死んだんだろうな」
牧佳 (プロフ) [2019年3月12日 23時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]「ここ、どこ、だろ…」
自由気ままに歩いていればいつの間にか道の入り組んだところに入ってしまったようだ。
「だれも、いない…」
白華 (プロフ) [2019年3月8日 10時] [固定リンク] [違反報告・ブロック]ブーツのヒールの音を鳴らしながら歩く音が長い廊下の奥から聞こえる
「はぁ…今日もつまらない事ばかりね」
抱えているぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ、ため息をつく
5000年も生きていると世界に飽き始めている
反逆者というものがいても、その反逆者も攻めてこない
昔のように…人間と戦った時のような楽しい時間がまた訪れないだろうか
考えながら歩いているうちに自身の部屋につき、ベッドに腰掛ける
ベッドの近くにある蝋燭に炎を灯し、ロングブーツを脱ぎ捨て足をパタパタと動かす