白アザラシのボード
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メッセージ一覧
白アザラシ (プロフ) [2022年1月11日 2時] 1番目の返信 [違反報告・ブロック]わが国に中学校というのはおよそ一万あるらしく、それならば年にいくらかが取り壊され立て直されるというのが道理ではある。我が町においてもそれは例外ではなく、震災の年に計画された公共施設の整理計画は消防本部、市立病院、図書館ときて遂にわが母校にまで至ったわけである。
親父の6つ年上の姉の頃には真新しかった鉄筋コンクリートの校舎も、今から10年前に私が通っていたころにはボロもボロ。今どき珍しい木の床は生徒たちが丹精込めて磨き上げたものだから一つたりとも平らなものはなかったし、A棟とB棟を繋ぐ渡り廊下はねじれていたし、そもそも地震で隆起したことでA、B、Cの各棟は基礎の高さが違うときた。C棟にあった我が美術部の城たる美術室の重い鉄のドアはひしゃげて扉としての用をなさなかったので、ベランダに出るためのアルミサッシから出入りするよりほかになかった。冬はあらゆる場所から隙間風が吹き込み、かといって夏はやたらに熱がこもるうえに平成も半ばを過ぎていたにもかかわらずエアコンがなかった。いや、我々が卒業して数年した後、ようやく三年生の教室にはついたという噂を耳にしたな。
耐震基準を満たしていなかったが欠陥工事で生じたコンクリートの隙間によって震度6強の揺れを奇跡のように打ち消したという噂すらあったこの校舎の建て替えは生徒、卒業生一同の悲願であったし、十数年の間その座に就き、また自身もこの校舎で学び育ったにもかかわらず一向に建て替えの予算を渋る市長を折に触れて皮肉ってもいた。
我が町は大震災でけして大きな被害を被ったわけではない。物的被害は海岸の数棟の家と観光名所のいくつかを押し流した程度だ。それでも数日の間町全体でインフラがダウンし、より北にある自治体が機能不全に陥る様は市民にも行政にも大きな衝撃を与えた。そして市全体の強靭化を意図した前述の公共施設整理計画へ至ったわけである。
わが母校は少子化により山の手の方にあった他校と統合の上、旧校舎より数百mほど離れた位置に移転することとなった。なんでも津波からの避難も企図していると聞いたが、あそこまで波が上がってくることになったらそれはもはや何をしたところで無駄なあがきであろうと思う。ともかくとして我らの悲願は成った。
そして今日、旗日であるにもかかわらずせっせと足場を組み立てる鳶の兄ちゃんをフェンス越しに眺めるわけである。全部がいい思い出ではない。あの窓の取り払われて露になっているのは同級生と殴り合いの大喧嘩を演じたB棟1、2階間の踊り場だ。テニスコートの横の駐輪場の右からたしか3番目は馬鹿をやって死んでしまった不肖の後輩の自転車が止まっていた場所だ。学校なんかなくなってしまえばいいと思ったことは一度や二度ではない。だがこうして取り壊されてみると、喜びよりも先に寂しさを感じるものである。
白アザラシ (プロフ) [2021年10月20日 9時] 3番目の返信 [違反報告・ブロック]超音速飛行をしたとしても飛行機の中の人は影響を受けない。せいぜい高度による気圧の変化で耳がキーンとする程度。エレベーターに乗っても起きる。ところが地上から飛行機を見てる人間に対してはちょっと違うことが起きる。
この辺の話はとてもあやふやなので話半分で聞いてほしいんだが、音速っていわば空気の速さの上限なのな。だから音速を超えない限りは飛行機によって生み出された空気の波は飛行機を追い越して空気を引き裂いていくので飛行機は抵抗を受けずに進むことができる。この状態はお風呂の中で手のひらを滑らせている状態をイメージしてほしい。ところが音速を超えてしまうと飛行機を空気の波が追い越さないので、空気の壁が飛行機を押さえつけてしまう。これを無理やり押しのけながら進んでいくので、空気の大波、衝撃波が生まれる。お風呂で進行方向に手のひらを向けてブンブンしてる状態ですね。この衝撃波というやつがとても厄介で、単純にうるさいだけではなく、窓ガラスを割ったり、爆発によって生じるものなんかでは内臓が破裂してしまったりする。せいぜい飛行機で起きるのは窓ガラスが割れるくらいだけど。
白アザラシ (プロフ) [2021年10月20日 9時] 4番目の返信 [違反報告・ブロック]だから飛行機が超音速飛行ができるのは基本的には何もない海の上だけなのだ。昔々、超音速旅客機の始祖と言えるコンコルドって飛行機がいた。こいつはマッハ2、時速でいえば大体2000km/hで飛ぶことができた。海の上でだけな。つまりこいつはニューヨークとパリの間の大西洋を普通の飛行機の2倍以上のスピードで飛べた。飛べたんだけど座席の値段はファーストクラスの20%増し。しかも海の上でだけ超音速飛行をするのでパリに着くまでの時間は半分までにはならなかった。こいつの悲劇は高い料金を払ってまで5時間で着く道のりを3時間にしようとする客が少なかったことだ。しかもこの結果は開発が半ばに達した時点で予測されていた。このまま事業を続けても負債になるのが分かっているのに、投資を回収しようと途中でやめることができない。これをコンコルド効果と呼ぶ。ただコンコルドの時点ではまだカーボンファイバーをはじめとする炭素繊維が普及していなかった。この圧倒的に軽量な素材と進歩した航空力学とを組み合わせれば、衝撃波を減らしつつ低燃費な超音速旅客機が作れるんじゃないのか、ってぇのが昨今のトレンドです。んですけれどぉ、コロナのせいで航空業界全体がそれこそ10年かかって回復できるかってくらい縮小しちゃってるのでぇ、多分実を結ぶ日は当分来ないです。なんせ飛ぶ寸前だったMRJ君がポシャるレベルなので。座して待ちましょう。