「ゲームセット!」体育館に響き渡る審判の声。その一言でコート内の緊張がフッと途切れる。さっきまでガクガクだった私の足も、何事も無かったかのようにしゃんとした。「有難う御座いました」軽く握手をして、微笑む。手を離したあと、対戦相手だった葛西れおんは勝利を噛み締め友達と抱き締めあっている。負けた私は、別に悔しがるわけでもなくただただ早かったなぁなんて思いながら本部の方へと歩いていた。
ユーザ登録画面に移動