幽世学園

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萌心ちゃん

(^ー^) (プロフ) [2018年9月6日 21時] [固定リンク] 携帯から [違反報告]

とある放課後。今日はカフェに行くか正直悩んだが、人形達が。
_あたらしいおともだちがほしい。
_はやくつくってよ。もこちゃん。
この2つの言葉が自分を集中攻撃する。だから仕方なく作ることにした。人形を作るための少し特殊な裁縫針を持って、家庭科室に向かう。ミシンは家庭科室のを使えばいいのだ。
家庭科室の鍵は空いてない予想で行ってみたら、ドアはあっさりと開いた。
「こんなあっさり開いていいのかな…」
と不安そうにぽつりと呟き、中に入る。少し暑い家庭科室。少しむわっとする。
窓を開けて、近くに机と椅子を持ってきて、そこに座り、カバンから材料を出して、少し考えた後、りすのぬいぐるみを作ろうと、まず、耳の部分から作ろう。と思い、生地にチャコペンで方を書いていく。少し夢中になりすぎて、足音は耳に入っていなかった。

プロフ (プロフ) [2018年9月6日 22時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

「およ? 家庭科室……誰かいるんでしょうか……」
通りすがりの唯ヶ崎は家庭科室からの物音に足を止める。享年が15歳であるため、あまり大人っぽく見えないが、彼女は紛うことなき、この学園の教師である。
ただ、生前の記憶がよぎる。あれは小学生の頃だったか。学校といえばお約束の「学校の七不思議」というやつに家庭科室関係のものがあった。
「ま、まさかお化けがいるんじゃ、ありませんよね……?」
幽世──現世で言うところのあの世に来ていて自分がお化けみたいな存在であるはずなのにお化けを怖がるとはこれ如何に。だが、まあ、唯ヶ崎の怖がりは生前より持った性分である。
ちょっと冷静になったところで、家庭科室を覗いてみることにした。学園の各教室は基本オープンで、生徒がよくよく異能力の制御訓練のために使っていることがある。異能力は人によって多種多様であるため、練習場所も人それぞれだ。
故に、滅多にはたらかせない好奇心をはたらかせ、唯ヶ崎は家庭科室を覗いた。唯ヶ崎は教師なんぞをやっているが15歳の女の子のままだ。料理やお裁縫にだって、憧れはする。
中に入ると、予想通り、いるのは生徒だった。確か、名前は桜宮萌心、といったはずだ。人形を操る感じの異能力を持っている。噂によれば、彼女の操る人形はみな、彼女のお手製なのだとか。
唯ヶ崎は密かに萌心の作る人形に思いを寄せていた。不器用というほどではないが、ほどほどにどじっ子なのが災いして、唯ヶ崎はあまり裁縫が得意ではないのだ。故に、生前、あまり触れて来なかった。
けれど、やはり憧れは消えず。萌心の手並みに見とれ、いつしかかなりの至近距離まで寄っていた。

(^ー^) (プロフ) [2018年9月6日 22時] 2番目の返信 携帯から [違反報告]

うしろから感じる人の気配。なんとなく誰かはわかる。唯ヶ崎千種。教師だ。女の子らしく、可愛らしい見た目をしている先生。
後ろを振り返り、少しじとぉっと、黄色い目で千種を見つめる。
しばらくじとぉっと見つめた後、すっと静かに席を立ち上がって、椅子を持ってきて、隣に置く。
_ん。
椅子を指さして、それだけ言う。座れ。と言うか、座ってくれ。と言いたいが、あまり今は言いたくないらしい。少し人形作りに集中したいのだ。だが、1人で黙々と作るのは寂しい。だから、せめて隣にいてもらおう。と思った。なんだが、目を見ていると落ち着くから。
「…だっこしてあげて…?」
カバンから何体か人形を出すと、机の上、千種の膝の上に座らせ、すこしニコッと笑う。
人形に寂しい思いはさせたくない。と思って、千種に頼んだのだ。彼女なら、この子達を、人形を優しく扱ってくれそう。人形にも優しくしてくれる。そう信じて渡したのだ。
人形を渡すと、すぐに人形作りに戻るため、生地の方に向き直り、また型を書く。

プロフ (プロフ) [2018年9月6日 22時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

座れ、と示されて恐る恐る座ると、人形を何体か渡された。一緒にいてあげて、とのこと。
「はわっ」
元々気弱を極めたような性格の唯ヶ崎は、人様のものに触れるなんて、とは思ったが、あちらからこちらに頼んできているのだ。無下にできるはずもなかった。
何より、人形が可愛い。
そういえば生前、こういうお人形遊びをしたことがなかったなぁ、と思う。彼女は友人と二人で遊んでいたから。友人はお人形遊びをするような柄ではなかった……わけではない。男子にからかわれて、呪いの人形の話を聞いて以来、唯ヶ崎が怖くなってしまって、人形を見るとぴぎゃあ、と逃げ出していた記憶がある。色々思い出すと情けない記憶ばかりなので、唯ヶ崎はほどほどで回想をやめた。
唯ヶ崎はこれでいてこの学園にいる期間は長い。故に、様々な異能力を見てきた。今更人形が怖いだの言ってはいられない。というか慣れた。
今では純粋に人形を可愛いと思える。それだけでも、ここにいる価値はあるのかもしれない。
「こんにちは、お人形さん、私は唯ヶ崎千種と言います。どうぞよろしくお願いいたします」
人形が喋るはずはないのだが、手にした人形に唯ヶ崎は丁寧に挨拶をした。まあ、これは持った性分である。
ごりごりの中年親父がやっているのなら問題になりそうな案件だが、唯ヶ崎くらい幼さを残す女の子がやっていると、ただただ微笑ましい。勿論、本人はそういうことは考えていないが。
そっと、優しく人形の頭を撫でる。
そうしながら、ちら、と萌心の方を見た。

(^ー^) (プロフ) [2018年9月7日 17時] 4番目の返信 携帯から [違反報告]

挨拶をしている彼女。なんとも可愛らしい。そして微笑ましい。
彼女が人形に挨拶している間、指にぐるぐると糸を巻き、彼女が抱き締めている人形にこそっと繋げる。
_喋るはずがない。
そう思っているはずだ。だが、自分の異能力にかかれば喋らせることなど簡単なことなのだ。人形を少し操れば、人形の手が動き、手の指を弱い力で握る。そして。
【ヨロシクネ。】
とだけ喋らす。そう喋った後、すぐに指に巻き付けた糸をさっと外す。外すと人形は力尽きたように力が抜け、動かなくなるが、萌心は特にきにせず、また作業に戻る。少しでも、
喜んでくれたらな。
驚いてくれたらな。
と思う一心で人形を喋らせたのだ。たくさん喋りたい。遊びたい。という気持ちで埋まっているが。
人形達が可哀想。
と思っているため、必死に寂しい思い、退屈な思いを紛らわせ、人形達の仲間を作ることにしている。正直つらい。
遊びたい。構ってほしい。
この言葉しか出てこない。

プロフ (プロフ) [2018年9月7日 17時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

ヨロシクネ、と喋った人形に唯ヶ崎は瞠目するより外なかった。人形が喋ったのだ。普通ならあり得ないことである。
生前の唯ヶ崎なら、ホラーだと泣き喚いたことだろうが、一応この学園で教師をやっているのだ。からくりくらいは予想がついた。
隣に座る萌心の能力は人形を使うものだったはず。彼女は今人形作りに専念しているが、もしかしたら、自分の現世でならちょっとイタイ挨拶に気を遣ってくれたのかもしれない。そう思った。
そうとわかれば、唯ヶ崎が怖がることは何もない。ちら、と隣の彼女を見やる。型どりは終わったようで、裁ち鋏を手に、チャコペンでつけた印に正確に沿って生地を切っていた。他にもチャコペンの印はついている。唯ヶ崎はあまり裁縫方面に明るいわけではないが、縫い代とか、まあそういった類のものだろう。
さて、彼女は何故人形を作るのだろうか。能力で動かせるものを増やしたいのか、はたまた別な理由か。……もしかしたら、人形の友達が欲しいのかもしれない。
だとしたら、随分と可愛らしいことではないか。
それに、手並みはいい。唯ヶ崎は是非覚えたいと思った。
「桜宮さん」
声をかけてみた。
「人形を作り終わったらでいいんですが、わたしと少し、お話ししませんか?」
自分にはとても似合わない言葉であることは知っている。だが言った。
「女子トーク、してみたいんです」
少し、はにかんで。

(^ー^) (プロフ) [2018年9月7日 21時] 6番目の返信 携帯から [違反報告]

「は…?」
いきなり話しかけられ、少し目を見開く。
女子トークをしたい。
そう言われた。いつもは自分からこういうことを言うから、相手から言われるのは慣れていない。
少し戸惑った後、少し迷った後、口を開く。
「私でよかったら…あの、寂しかったから…逆に、ありがとう…」
少し下を向いて、照れながら言う。あまり礼を言うことはあまりない。だから、少し照れながら言ってしまう。
そして、しばらく人形作りに集中する。形を作り、リスの形に生地を縫っていく。最後は綿を入れればぬいぐるみの完成のところまで来た。カバンから綿を出して、中に綿を入れていく。
綿を詰め終わると、針で開いてる部分を縫っていく。これでリスの人形の完成だ。
また指にぐるぐると糸を巻き付け、人形の上から糸を垂らす。
すると、ゆっくりと人形が起き上がる。そして、歩かせてみたり、喋らせてみたりする。
「ちゃんと歩く。動く。…喋る。」
一つ一つ行動を確認しながら人形を操る。そして、人形のすべてのチェックが終わったら、糸を外し、ぬいぐるみを抱き上げ、机の上に座らせる。
そして、椅子にまた座ると、千種の方を向き。
「女子トーク…しよう…?」
そういってこてんと首を傾げた。

プロフ (プロフ) [2018年9月8日 0時] 7番目の返信 スマホ [違反報告]

女子トークしよう、という言葉に、思わず笑みが零れる。生前は叶わなかったことだ。……まあ、たった一人の親友は女子だったが、彼女と話すのは女子トークというより日常だった。
女子トークの秘密めいた雰囲気が好きなのだ。
「ふふっ、そうですねぇ」
女子トークを提案したのは自分だが、あまり親友以外の女子と話すことなんてなかったから、こうして向かい合って話してくれるだけで嬉しい。……と誤魔化したが、実は何を話せばいいのかわからない。
女子トークの専らの話題といえば、恋ばなだが、唯ヶ崎にそういう相手はいないし、いきなりそこまで踏み込んだ話をするのもどうかと思う。
少し考えてから、出来上がった桜宮のぬいぐるみを見る。可愛いリスだ。
「リスちゃん、可愛いですね。そういえば、お人形さんとかぬいぐるみとか多いですが、名前とかはついているんですか?」
いい話題を見つけた、と唯ヶ崎はやや早口に聞く。言ってしまわないと忘れそうだったからだ。

(^ー^) (プロフ) [2018年9月8日 21時] 8番目の返信 携帯から [違反報告]
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