名隠しの町

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夜月 (プロフ) [2018年5月15日 20時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

ふわりと夕暮れの住宅街に甘い匂いが漂う。こんがりと焼きあがった焼き菓子と甘いバターの匂い。夕食前の少し小腹が空く時間帯に漂うそれはある意味暴力的なまでに空腹感を刺激する。そんな匂いを漂わせる袋を抱えた青年が一人、歩いていた。
「作りすぎたけど……月夜食べるかなぁ……」
こげ茶の髪を軽く結い、タレ目に泣き黒子の青年。白いTシャツにジーパン、肩に担いだリュックといった格好から恐らく大学生であろうその青年は履き慣れたスニーカーで帰路を歩いている。
授業兼趣味で作った焼き菓子だが、かなり多く作った所為で大量に余ってしまったのだ。
「どうしようかな……」
夕暮れの空を見上げて呟いた。
(どなたでもOK)

夜月 (プロフ) [2018年5月15日 21時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

ぐううと盛大になった腹の虫の音を辿ると一人の男がいる。淡い紫の着物に蝶と紫陽花の刺繍の入った羽織。どこか浮世離れした雰囲気を醸し出しているが先程聞こえた腹の虫が少しばかり台無しにしている。
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「えっと、よかったら食べますか……?」
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その大きさからして随分と空腹のようだと思ったので、思わず紙袋を男の前に差し出した。

夜月 (プロフ) [2018年5月19日 17時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

「口に合ってよかった。試作品で作ったフィナンシェなんです」
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美味しそうにパクパクと食べ始める彼に顔が綻ぶ。こうやって誰かに美味しそうに食べて貰うのは作った甲斐を感じて嬉しくなるものだ。

夜月 (プロフ) [2018年5月19日 20時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

「あぁ、小さな袋にもまだあるので、持ってたの全部、妹と食べきれるかなー?って思ってたから、いっぱい食べてもらって大丈夫ですよ」
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袋を閉じた彼にそういう。よく見ると蓮の片手にはもう一つ小さめのサイズの紙袋が握られていた。前にも調子に乗って作り過ぎた菓子を妹と必死に食べきったばかりなのに、またやってしまったので、実はいうと帰ってから説教されるのではないかと思っていたのだ。

夜月 (プロフ) [2018年5月20日 14時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]
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