名隠しの町

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夜月 (プロフ) [5月15日 20時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

ふわりと夕暮れの住宅街に甘い匂いが漂う。こんがりと焼きあがった焼き菓子と甘いバターの匂い。夕食前の少し小腹が空く時間帯に漂うそれはある意味暴力的なまでに空腹感を刺激する。そんな匂いを漂わせる袋を抱えた青年が一人、歩いていた。
「作りすぎたけど……月夜食べるかなぁ……」
こげ茶の髪を軽く結い、タレ目に泣き黒子の青年。白いTシャツにジーパン、肩に担いだリュックといった格好から恐らく大学生であろうその青年は履き慣れたスニーカーで帰路を歩いている。
授業兼趣味で作った焼き菓子だが、かなり多く作った所為で大量に余ってしまったのだ。
「どうしようかな……」
夕暮れの空を見上げて呟いた。
(どなたでもOK)

夜月 (プロフ) [5月15日 21時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

すっかり時間が住宅街をオレンジに染める夕暮れになった頃。
ぐう…とうるさいくらいに鳴り響く腹の虫を他人事のように聞きながら男が歩いていた。
淡い紫の着物に蝶と紫陽花が刺繍された羽織を着た彼は見ても何者かは解らないが漂う雰囲気からただの人間ではないことは分かるかもしれない。
そんな彼が偶然にも街を歩いていると向かう方向に一人の青年が空を見上げている姿が見えた。
何か空にあるのだろうか…そう思いつつも見上げることはせず青年とすれ違って……。
ぐうう……
「……」
すれ違った途端に感じたふわりと甘い匂いに今日一番に盛大な腹の虫が鳴り響いた。
その音に青年が気付いて振り向いたのは言わずもがな分かるだろう。

(お邪魔させていただきます!)

(プロフ) [5月19日 14時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

ぐううと盛大になった腹の虫の音を辿ると一人の男がいる。淡い紫の着物に蝶と紫陽花の刺繍の入った羽織。どこか浮世離れした雰囲気を醸し出しているが先程聞こえた腹の虫が少しばかり台無しにしている。
.
「えっと、よかったら食べますか……?」
.
その大きさからして随分と空腹のようだと思ったので、思わず紙袋を男の前に差し出した。

夜月 (プロフ) [5月19日 17時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

「え…、なにそれ…食いもん?」
視線がかちあうと此方の空腹さ加減を悟ったのだろう青年が紙袋を差し出してくれた。
スン…と鼻で紙袋を嗅いでみればどうやら甘い匂いの正体はこの袋の中にあるものらしく、礼も許可も言わず受け取り中を見る。
そこには袋一杯に入った手作りと思われる焼き菓子が…。
「なんだこれ…いいにおいだしすげぇ美味そう………ん?!美味い…」
なんだか分からないけど美味い!と言いながら一つまた一つと手をつけパクパク食べ始めた。

(プロフ) [5月19日 19時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]

「口に合ってよかった。試作品で作ったフィナンシェなんです」
.
美味しそうにパクパクと食べ始める彼に顔が綻ぶ。こうやって誰かに美味しそうに食べて貰うのは作った甲斐を感じて嬉しくなるものだ。

夜月 (プロフ) [5月19日 20時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

「ふぃなん…?……なんだかよく分からねぇけど手作りとか…アンタ、スゴいヤツなんだな」
もぐもぐと口を動かしながら、笑みを浮かべている彼をどこか羨望の眼差しで見つめる。
口にいれた瞬間しっとりとした食感とバターの甘い香りに包まれ、僅かにだが空腹を満たす感覚…。
男はすっかり青年のことを美味い食いものが作れる良いヤツ認定していた。
暫く食べる手を止めなかった男だが、袋の中身が半分ほどになったころ何を思ったかピタリと止め、袋を閉じた。
「……アンタはこれ、要らないの?」

(プロフ) [5月20日 14時] 6番目の返信 スマホ [違反報告]

「あぁ、小さな袋にもまだあるので、持ってたの全部、妹と食べきれるかなー?って思ってたから、いっぱい食べてもらって大丈夫ですよ」
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袋を閉じた彼にそういう。よく見ると蓮の片手にはもう一つ小さめのサイズの紙袋が握られていた。前にも調子に乗って作り過ぎた菓子を妹と必死に食べきったばかりなのに、またやってしまったので、実はいうと帰ってから説教されるのではないかと思っていたのだ。

夜月 (プロフ) [5月20日 14時] 7番目の返信 スマホ [違反報告]

「…ふうん…妹がいるんだな」
彼が片手に持っていた小さな紙袋を一瞥し閉じた袋をもう一度開けまたフィナンシェを食べ始める。
自分のことも他人のことももちろん食べ物のことだって『どうでもいい』で済ませてしまうのに、不思議と彼が作った食べ物があまりに美味しくて一人で食べてしまうのが勿体無く感じてしまった。誰かと美味いという感情を共有したい。
…そんな無くしていた感情が微かに自分に芽生えたのを内心驚きながら感じて…ふと思い付いた言葉を口にした。
「…なあ、僕をアンタの家に連れて行ってくんない?アンタの作った食べ物がもっと食いたい…というか、なんというか…アンタともっと話がしてみたい」

(プロフ) [5月25日 20時] 8番目の返信 スマホ [違反報告]
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