とある町をとある女性が歩いていた。「あーあ!!また飽きちまったよ。こちとら本気でやってたっつーのによォ!!何で長いこと続かねぇかなー!」嫌になる!と独りで喋りながら歩いているが、周りの人にジロジロ見られている。だが彼女、千秋はそんな事気にしない。早足で歩く中、誰かに話し掛けられる。
「あ?...おぉ、黄泉か!よっ!」前を見ると、知り合いが立っていた。千秋は軽く話を紡ぐ。「黄泉、こんなとこで何してんだよ?」
「へー。アクティブだなー黄泉は!最後のは違うけど。」はははっと笑い相手を見る。「おう、ご名答!私に合う仕事ってのはそうそう見つかんねぇなぁ。」しゅんと耳を下げてそう言う。
「何言ってんだよバーカ。私は客として行く側だ。」ふっと笑って冗談混じりにそう返す。「ふーん、てか痛いのかよ!それでもやり続けるなんて根性あるな。」意外だわ。と呟きながら話続け
「死ッ!?怖ぇよ!...そうか、死神さんは死なねぇんだったな!」私ももっと生きてぇ~、とヘラヘラと笑いながら話す千秋。「へ?おぉ!イケメンか私!へへ、嬉しいこと言ってくれるな黄泉~!」少し驚いたがイケメンと言われ嬉しそうに笑い、凄い勢いで彼の目の前に行く。褒められたのがよっぽど嬉しかったようだ。
「えー、なんだよー、いいじゃねぇか友達なんだし!」やめろと言われてやめる奴はいねぇよ~。そう思いながらヘヘンと笑う。「あ、そうだったな~。すっかり忘れてたわ!」彼の言葉にそういえばそうだったなと思い出す。人間の町で過ごしていた為かすっかり忘れていた様子の千秋。
「馬鹿とはなんだよ馬鹿とは!!」プーっと頬を膨らませ相手を睨む。「ん?あの壁がか?行ってこいよ!私ここで見てっからさ!」やっと離れた千秋は彼の言葉を聞いてそう言う。やってるところを一度見たかったらしい。
「腹立つわー!...ったく、怪我すんなよ~。」と、登っていく彼に言う。彼が怪我することは無いと思うが、念のためだ。「ははっ、凄ぇな黄泉~!」そう言って彼女も笑顔で手を振り返す。
「え、いや、遠慮しとくわ。怖いのは嫌だしなぁ。」彼の言葉に即答で答える。千秋は意外と怖がりなので泣きながら登る事になるからだろう。
「そうなんだよ...恥ずかしながら...つーか、落書きしちまって大丈夫なのか?怒られたこととか無いのか?」やる気満々の彼を見て心配そうに言う。
「へぇ、バレてないのか。世の中の奴は馬鹿だなぁ~。」ふわぁーっと欠伸をし、目を擦る。千秋は彼を見ながら、今時の奴はこんな事してるのか、と一人で思っていた。
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