きっと、これは、いつまでも

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にょたんば成り代わり

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] [固定リンク] スマホ [違反報告]

「おお……!」
はい、こんにちは。気がついたら山姥切国広♀(先天性)になっていた26歳です。
これまでの経緯を簡単に説明すると。
森で目覚める→骸骨に出会う→死にそうなところを助けてもらう→危ないので保護してもらう→気がついたら怪我が治ってる→疑問を感じつつも皆さんとお食事、となります。
これまでにもっと色々あったのですが、割愛しますね。語りきれないので、また別の機会にでも。
そして視点を現実に戻しますと。
ただいま、目の前に並んでいるとても豪勢な食べ物。艶やかな唐揚げ、とても甘い匂いを漂わせているホッケ、金色に輝く卵が綺麗なスープ、てかてかな白米、添えてあるみずみずしいお野菜。すべてが神々しく見えます。
仕事がきついせいでなかなか料理をつくって食べる暇が見つからなかったあの頃と比べ物にならないくらい、栄養満点なメニューが食卓の上に並んでいて、私は感激を覚えました。
あの頃は、水とカロリーメイト、ヨーグルトだけで生活してましたから……ヨーグルトって蜂蜜を入れると味が変わって美味しくなるんですよ。とても甘くて美味しくなります。
まあ何はともあれ、いただきたいと思います。
「ほら、兄弟! こうやって手のひらを合わせながらいただきます、だよ!」
「あ、ああ……いただきます。はぐっ」
久々にお箸を使いながら、一番目の前にあった唐揚げをとります。
口に入れると、かりっとした衣を割って肉汁が洪水のように溢れるんですがぷりっとした肉の食感もあって控えめにいって神。おっと失礼、口調に乱れが。
「ほれ、ふってもおいひい……」
「こら兄弟、口の中にものを入れたまましゃべりません。それとお箸で食べ物を指さない」
隣の好青年がしかってきます。年下に怒られるなんて……まあ、意見はごもっともです。ただ言い訳させてください。神だったんです。どうしようもなく、神ってたんです。
ごくり、と飲み込むと好青年に向かって笑います。ありがとう、こんな美味しいものを食べさせてくれて。
お礼を言うため、私は口を開きます。
「こんなに美味しいものを食ったのは久々だ。ありがとう」
「……え?」
途端に好青年の顔が笑顔のまま、固まりました。何か不味いことでも言ったでしょうか。
すると隣にいた髪の毛の長いお兄さんがひきつった笑みを浮かべながら私に質問してきました。
「じゃあ、お前、何食ってたんだよ」
「ちょっと兼さん!」
好青年が髪の毛の長いお兄さん(カネサンというそうなのでカネサンって言います)を叱りました。好青年さん、カネサンは悪くないですよ。
ひとまず私は、カネサンの質問に答えるべく、箸をおいて前を見据えました。
彼らにカタカタの言葉が伝わらないのは調査済みなので、分かりやすく説明していきます。
「……前は、白く、濁ったものを、主に食べていた。たまに、四角形の物体も食べていた。よく、濁ったものに黄色の蜜を入れていた。甘くて、でも時々酸っぱくて……」
「もういいよ、兄弟、もういいよ……」
「そ、そうか……?」
好青年が泣きそうな顔で布を引っ張ってきたので、話すのをやめました。少し周りを見回すと、他の人たちも顔を歪めていたり、小さい子が泣きそうになってます。だから話を中断させたんですね。納得です。
取りあえず空気が気まずくなったので、唐揚げを一口頬張りました。さっきと同じく、香ばしい香りをまとった肉汁が口の中で溢れてきます。
こくん、と飲み込んだ後、みんなに向かって笑いました。
「こんなに美味しいものを、俺のために、ありがとう」
「っ、兄弟……!」
次の瞬間、好青年の周りに桜が舞っていました。とても綺麗です。
好青年の頭の上に乗りそうだった桜に触れると、すぐに消えてしまいました。
きょとん、とする好青年の頭を撫でつつ、私は口を開きました。
「綺麗だ。……俺なんかと違って」
いやもう、本気で思います。こんな好青年だけで、世界が構成させてればよかったのに……!

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