きっと、これは、いつまでも

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ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] [固定リンク] PCから [違反報告]

「クリスマス、ですね……」
ふと外を見上げると、雪が降っている。
こたつの中でぬくぬくしている日本は猫を抱き上げながら呟いた。
「あっるじ~! 俺も暖めて?」
きゅっ、と後ろから抱きついてくる感覚を日本は感じる。猫のようにすりついてくる彼は日本の事を相当好いている事がうかがえる。
「清光さん……ほら」
ぽんぽん、と隣を叩くと締め付ける手を緩めさせる。猫も日本に賛同するようににゃあ、と柔らかく鳴いた。
加州もこくり、とうなずきながら日本の隣に座る。そしてこたつの上にあるミカンを剥き始める。
一房になったミカンを手にもって、日本の方を加州は向いた。
「主、あ~ん」
「んぐ……ありがとうございます」
「いいえ~! おいし?」
「はい、とっても」
そっか、と笑った加州。端から見れば恋人のようだ。ただ、彼らの間に愛があるとするならばそれは敬愛だろう。互いを尊敬しあい、敬っているのがわかる。
ただ、日本の上の猫は自分が構ってもらえなかったのが嫌だったのか、加州と日本の間にどすん、と座った。

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 1番目の返信 スマホ [違反報告]

「何お前、主と俺の時間を邪魔するの?」
そんなやつはー……と加州が手を動かしながら言う。
「こーしてやるっ! おらおらおら!」
そういって猫の腹をくすぐる。猫はごろごろと喉をならして仰向けになった。
「わぁ~、俺も混ぜて~! えい~!」
そういって加州の膝の上に乗るヘタレアホ毛……ではなく、イタリア。どこからか入ってきたらしく、冷たい手を加州の頬につけた。
「っああ、主っ! イタリアが、イタリアが来た!! 助けて!!」
「なんだよ清光~避ける事ないだろ~?」
「散々色々してきてよく言えるな!! それにお前に清光言われたくない!! だから退いて!!」
「清光さん、落ち着いてください」
猫のように威嚇しながら日本の後ろに隠れる加州。イタリアはいきなり支えがなくなったことにより、絨毯に頭をぶつける。
「あいだっ!? うう、いたいよ清光~」
「だっかっらっ! 清光言うなっ!! そしてっ、ちっかっよっるっなっ!!」
イタリアは泣きべそをかきながら加州の方に近寄る。加州は顔を歪めながら日本の後ろに隠れていた。日本はため息をつきながら加州の頭を撫でる。

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 2番目の返信 スマホ [違反報告]

「あっ、こんなところにいたんですね、主さん。ダメじゃないですか、勝手に日本さんの家に入ったら。不法侵入ですよ」
「あっ、堀川~! おっそいぞ~♪」
イタリアはつん、とやってきた堀川の額に人差し指を当てる。堀川はイタリアをこたつから引っ張り出しながら、ため息をついた。
「主さんは本当に自由だなぁ……あっ、日本さん、お邪魔してます! 主さんが迷惑かけちゃってすみません!」
「いらっしゃいませ、堀川国広様。いえいえ、大丈夫ですよ」
「いたたたっ、堀川、いたいよ~!」
イタリアが抵抗する度に堀川の力は強くなっていく。イタリアはまた泣きそうになっていた。対して堀川は涼しい顔でイタリアを引っ張りあげる。
気がついた頃にはイタリアは堀川に抱き抱えられていた。
「ううぅ~……堀川はカネサンには乱暴しないのに何で俺には乱暴するの!!」
「兼さんはしっかりわかってくれるのでしないだけです。……主さんは何回言ってもわかってくれないので」
「ひいっ! 怖いよ~、助けて日本~」
「日本さんに迷惑かけちゃダメですよ、主さん」
イタリアの最後の抵抗も、満面の笑みをしている堀川を前にするとなんの力も発揮しない。加州が日本の後ろで「あっちの堀川ってやっぱり脳筋……」等と呟いている。

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 3番目の返信 スマホ [違反報告]

そんな中、玄関の方からどんどんとした足音が聞こえた。
「イタリア!! お前はまた日本の家に勝手に上がって……!」
「ちょっ、主さーん! それじゃイタリアさんと同じことしてますよー!」
やって来たのはドイツと鯰尾。ドイツは大分ご立腹のようで、鯰尾はそんなドイツをいさめる。
ドイツは少し立ち止まって、鯰尾の方を向いた。
「ムッ、そうか……すまない、日本」
「そうですよー。あっ、日本さん、お邪魔してまーす!」
ドイツは日本に向かって一礼する。鯰尾はドイツの後ろで元気よく手をあげてアピールしている。
日本は柔らかく笑って、二人を見つめた。
「大丈夫ですよドイツさん。もうなれました。そしていらっしゃいませ、鯰尾藤四郎様」
「やだなー日本さん、俺らに『様』なんてつけなくていいんですよ? 俺らの方が年下なんですから!」
鯰尾が親しげに話す。日本は「でも……」と口ごもっている。
そんな二人を知ってか知らずか、イタリアが口を開いた。
「あ~、ねぇ日本~クリスマスしよ~! そのために来たんだった~!」
ねぇねぇ~とイタリア。堀川はイタリアを解放して彼の後ろに立った。
「お前もか、イタリア。俺も日本と一緒にクリスマスを過ごしたいと思ってな」
ドイツも前に出てくる。鯰尾に至っては「しゃんぱんってやつ開けましょうよ!」と乗り気だ。
日本は少し困った顔をして、後ろにいた加州に問いかけた。
「……加州さんはどうしたいですか?」
加州はムッとした顔になって日本の額を人差し指でつつく。
「俺にお誘いが来たんじゃなくて、主にお誘いが来たんでしょ? 俺の事抜きで考えてよね」
加州はそのあと横を向いて、「まあ、主が参加するなら俺もしてもいいけど」と呟いている。
日本は少し驚いた顔になるが、すぐに表情を柔らかくして口を開いた。
「……私も、皆さんとクリスマスを過ごしたいです」
イタリアが花を散らして、ドイツが少し笑った。二人についてきた二振りは顔を見合わせると笑い合う。
「んじゃあ、クリスマスだぁ~!」
__イタリアの陽気な声が響いた。

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 4番目の返信 スマホ [違反報告]

クリスマス短編-ヘタリア×刀剣乱舞-
出演<ヘタリア>
日本
イタリア
ドイツ
出演<刀剣乱舞>
加州清光
堀川国広
鯰尾藤四郎

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 5番目の返信 スマホ [違反報告]

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 6番目の返信 PCから [違反報告]

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 7番目の返信 PCから [違反報告]

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 8番目の返信 PCから [違反報告]

ちー (プロフ) [2018年3月11日 12時] 9番目の返信 PCから [違反報告]
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