2019年1月20日 10時
頬を伝って落ちたその美しいものは、地面に触れると同時に溶けてしまった。私はそれを両手に受け止めようと思い、あとから止めどなく溢れ出るのを嬉しいと思った。君の頬に手を当て、指に伝わってくる暖かさに安心した。なぜだか君は可笑しそうに笑い、私の胸をこつんと叩いた。あなたにはわからないでしょうね。その言葉は、苦しそうに吐き出されて宙を舞った。君の言う通り、私にはわからなかった。つぎはぎに縫い合わされた感情は、私の意志とは全く別のところで、私の胸に傷を作っていた。
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